”宝くじは買わない方がいい”は嘘?! – 宝くじを買ってもいい理由

2018年5月17日

この記事はこのようなことを書いています

最近は、「宝くじは買わない方がいい」、「宝くじを買っているヤツはバカだ」と言われてしまっています。

その理由は、宝くじは買った金額に対して、戻ってくる金額が小さい過ぎる(”期待値が低い”と言う)ということです。

それは事実ですが、それでも「わたしは宝くじ買ってもいいのではないか?」と思っています。

なぜそう考えるようになったのかを紹介したいと思います。

宝くじは本当に買わない方かいいのか?

宝くじは買わない方がいい

宝くじを買っているヤツはバカだ!

など、最近では宝くじに対するイメージがドンドン悪くなっています。

 

そんな中でわたしは、

「宝くじは買ってもいいんじゃないか」

という立場の人間です。

なぜ宝くじを買ってもいいんじゃないかと思っているか、その理由についてわたしの意見を述べていきたいと思います。

 

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世間での”買わない方がいい”理由

まず、世間で「宝くじは買わない方がいい」言われてる理由について考えてみましょう。

…といっても、その理由は一つだけのようです。

要は、

買うのに使った金額に比べて、戻ってくる金額が少ないから

ということのようです。

 

どの記事の意見を調べても、これが主な理由です。

 

例えば、わたしが3,000円分の宝くじを買ったとして、戻ってくる金額の平均は約4.5割の1,350円程度なのです。

一回買って幸運にも、使った金額以上の当たりが出るときもあるでしょう。

しかし、何度も何度も買っていくうちに、大抵の人は、どんどんお金が減っていってしまう仕組みになっています。

以下でもう少し詳しくみましょう。

 

6.5割は胴元(経営者側)に持ってかれる

宝くじに限らず、ギャンブルはすべてそうですが、売り上げの何割かは胴元(経営側)の取り分となります。

そうでないと、ビジネスとして成り立たないですからね。経営者も利益目的でやっているわけですから。

 

そして、胴元が取った残りの金額を私たち購入者側で分配するのですが、宝くじは胴元側の取り分が特に多いギャンブルの一つなのです。

 

例えば、我々宝くじ購入者が総額10億円の宝くじを購入したとします。※金額はデタラメです

そして、胴元側が受け取った10億円の分配は、以下のようになっています。

割合 使い道
41.1% 収益金として販売元である都道府県および全国指定都市へ納められ、公共事業等へ使用
1.0% 社会貢献広報等
11.6% 印刷経費、売りさばき手数料
46.3%  当選金として購入者へ分配

このように、当選金として購入者へ分配される金額は46.3%しかないのです。

半分以上は胴元に持っていかれるのですね。この数値は他のギャンブルに比べてトップレベルで低いです。

 

例えば、他のギャンブルでは購入者へ分配される金額は、

  • 競艇 → 74.8%
  • 競馬 → 74.1%
  • 競輪 → 75.0%
  • パチンコ → 約85.0%

です。

宝くじは圧倒的に低いですね。

 

約4割が公共事業など社会の役に立つので、税金を払っていることにもなりますね。

宝くじの購入で社会整備へ貢献できると考えれば、無駄ではないのかもしれません。

しかし、ここではそんなことを”宝くじを買ってもいい理由”というわけではありません。

 

期待値で考える

少し、数学的な話になりますが、何かギャンブルをするときは”期待値”という考え方がよく登場します。

 

これはギャンブルしたときに、返ってくる平均の金額です。

上で見たように、宝くじの場合は、3,000円分のくじを購入した場合、その約4.5割の1,350円が期待値ということになります。

$$3,000\text{円分の宝くじの期待値} = 1,350\text{円}$$

期待値とは、戻ってくると期待されている金額ということですね。

 

期待値の計算は、

”当選確率に当選金額を掛けたものをすべて足したもの”

となります。

 

架空の宝くじを考えましょう。

この宝くじでは、

等級 当選確率 当選金額
1等 0.01=1% \10,000
2等 0.1=10% \2,000
3等 0.2=20% \500

だったとします。

この場合の期待値の計算は、

$$\text{期待値} = 0.01 \times 10,000 + 0.1 \times 2,000 + 0.2 \times 500 = 400$$

となり、期待値は400円となりますね。

 

もしこの宝くじが1枚300円であったら、買うことで儲ける確率が高いと言えます。

しかし、1枚500円であったら、買うことで損する確率の方が高いのです。

 

期待値を調べることで、自分に有利なギャンブルであるか、そうでないかが分かるのですね。

 

現実の宝くじではどうなの?

現実の宝くじではどうでしょうか。

例として2017年の年末ジャンボの当選確率と当選金額を見てみましょう。

等級 当選確率(%) 当選金額
1等 0.000005 \700,000,000
1等前後賞 0.00001 \150,000,000
1等組違い賞 0.000995 \300,000
2等 0.00001 \10,000,000
3等 0.00007 \1,000,000
4等 0.1 \10,000
5等 1 \3,000
6等 10 \300

こんな感じでです。一等は7億円です。

 

では、期待値を求めてみましょう。

\begin{align}
\text{期待値} = & 0.00000005 \times 700,000,000 \\
& + 0.0000001 \times 150,000,000 \\
& + 0.00000995 \times 300,000 \\
& + 0.0000001 \times 10,000,000 \\
& + 0.0000007 \times 1,000,000 \\
& + 0.001 \times 10,000 \\
& + 0.01 \times 3,000 \\
& + 0.1 \times 300 \\
= & 139.985
\end{align}

期待値は139.985円ですね。

宝くじ一枚の値段は300円なので、買うことで損する確率の方が高いですね。

 

期待値を購入金額で割ると、

$$\frac{139.985}{300} = 46.66\%$$

ですので、やっぱり戻ってくる額は4.5割程度です。

 

なぜ宝くじは買う価値があるのか

ようやく、ここからがこの記事で言いたいことです。

ここまで見てきたように、そして他の記事でも同じことが言われているように、宝くじを買うことで損する確率は圧倒的に高いです。

 

しかし、それでも宝くじを買う価値があると思っている理由は、

1等や1等前後賞の当選金額がとんでもなく高いから

です。

 

もしも7億円当たったらどうする?

2017年の年末ジャンボの例では、1等は7億です。

 

「もしも、”7億円”あったら…」

誰しも一度は考えたことあるでしょう。

もう一度ここで考えてみましょう。もしも”7億円あったら…”どうしますか?

 

わたしの答えは、

  • 仕事しなくて一生遊んで暮らす!
  • 海外に住んでみたい!
  • 週一で佐賀牛食べたい!

という感じです。

あなたはどうでしたか?

 

もしも70億円あったら…

では、次に7億円を10倍にして70億円にして想像してみましょう。

「もしも、”70億円”あったら…」

と考えてみてください。

 

どうですか?

わたしの場合、

  • 仕事しなくて一生遊んで暮らす!
  • 海外に住んでみたい!
  • 週一で佐賀牛食べたい!

でした。

 

そうです!一緒なんです。

皆さんも一緒だったでしょ?(えっ!違う?)

 

つまり、わたしみたいな貧乏人には7億円も70億円も価値が変わらないんです。

ここ重要です。

 

結局、これ以上金額が増えても、

「一生遊んで暮らせるぜ!」

となるんです。

 

期待値を改めて計算してみよう

さて、上で、

$$\text{7億円} = \text{70億円}$$

という結論にたどり着いたとします。

 

では、改めて宝くじの期待値を計算してみましょう。

表を書くとこうなります。

等級 当選確率(%) 当選金額
1等 0.000005 \7,000,000,000
1等前後賞 0.00001 \150,000,000
1等組違い賞 0.000995 \300,000
2等 0.00001 \10,000,000
3等 0.00007 \1,000,000
4等 0.1 \10,000
5等 1 \3,000
6等 10 \300

こんな感じでです。

当選確率は変わっていません。

変わったのは、1等の当選金額が10倍になりました。

7億と70億は倍にしても価値は変わらないことを確認したので、こう置き換えてもよいはずです。

 

では、期待値を計算してみましょう。以下のようになります。

\begin{align}
\text{期待値} = & 0.00000005 \times 7,000,000,000 \\
& + 0.0000001 \times 150,000,000 \\
& + 0.00000995 \times 300,000 \\
& + 0.0000001 \times 10,000,000 \\
& + 0.0000007 \times 1,000,000 \\
& + 0.001 \times 10,000 \\
& + 0.01 \times 3,000 \\
& + 0.1 \times 300 \\
= & 454.985
\end{align}

期待値は454.985円ですね。

 

くじ1枚の金額の300円を超えました。

ということは、

宝くじは買った方がよい

ということになりますね。

 

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この考え方の根本

ここで紹介したわたしの意見について、

「なんだそりゃ!勝手に金額を10倍したらダメだろ」

と思われる人もいるでしょう。

 

確かにその通りなのですが、ここで言いたかったのは、

そもそも、宝くじのような配当が極端に高いギャンブルを、期待値で考えることは正しくないのではないか?

ということです。

 

10万円や100万円程度のギャンブルであれば、金額の大小は重要だと思います。

当たったところで、少し贅沢ができるだけであり、仕事を辞めれるわけではありません。(いくらお金があっても辞めたくない人もいると思いますが)

その贅沢度は金額が倍になれば、倍の贅沢ができるので金額は重要です。

 

しかし、数億円となると、もはや生活全体が変わってしまうでしょう。

「やりたいことは全部できる」となります。

そして、その金額が10倍になったとしても、同じことなのです。

「やりたいことは全部できる」となります。

金額は重要ではありません。

 

わたしの考えが正解と言いたいつもりはありませんが、このような考え方もできるのではないかと思いお伝えしました。

 

重要なのは、どの程度のお金が欲しいかです。

普段の生活を少し贅沢にしたい程度のお金が欲しい人は、宝くじは向いていません。

買えば買うほど、半分ずつお金が減っていく可能性が圧倒的に高いです。

 

しかし、「生活を丸ごと変えたい」、「仕事しないで生きて生きたい」という人には買う価値はあると思います。

当たったときのリターンはプライスレスなのですから。

 

最後に注意点です。

宝くじを買うために、当たりやすいと言われる人気の店舗の行列で何時間も並ぶのは無駄と思っています。

そんなことをしても当たる確率は変わりません。空いてる店舗で、買い物のついでにささっと買ってしまいましょう。

時間はプライスレスです。

 

まとめ

  • 宝くじは期待値は購入額の約45%であり、損する確率が圧倒的に高い
  • なので、コツコツお金を稼ぎたい人には向かない
  • 1等や1等前後賞の金額は一般人にはもはやプライスレスなメリットがある
  • よって、宝くじを金額の期待値で考えることはできず、人によっては買う価値があるものである

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