数独の解き方【超上級編③】「XY-wing(エックスワイ・ウィング)」法

XY-wing法(エックスワイ・ウィング)法というある条件を満たす三つのマスを見つけて、その周辺のマスの数字の候補を絞る方法を紹介します。
超上級編の最後に紹介するにふさわしい、上級テクニックとなっています。
X-wing法に名前が似ているけれど解き筋はまったく違う「XY-wing法」
ここでは、数独の解き方の中級編で紹介した「X-wing(エックス・ウィング)法」に名前が似ているけれど解き筋はまったく違う「XY-wing法」という手筋を紹介します。
XY-wing法には、2つのパターンがあるので、それぞれ解説していきます。
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パターン1
まずは【パターン1】の解説です。
今、3つのマスA・B・Cについて、次の状態になっているとします。
- マスAには1と2のみが入り得る。
- マスBには1と3のみが入り得る。
- マスCには2と3のみが入り得る。
- マスAとBは同じ列上にある(ただし、同じブロック内にはない)。
- マスAとCは同じ列上にある(ただし、同じブロック内にはない)。
- マスA・B・Cは一直線上にない。
「あ〜もうっ!条件が多すぎて非常にわかりにく〜いっ!」
なので、下図を見てビジュアル的に理解しちゃってください。
マスAがマスB・Cとタテヨコ直角に位置していて、マスA・B・Cに入り得る数字が2個ずつあってそれらが三つ巴状態になっている、といったイメージです(三つ巴とは、上図の 12,13,23 のことです)。
この状況になった時、★マス(下図)に注目してみましょう(実は、★マスもマスB・Cとタテヨコ直角に位置しています)。
この状態で、どういうことが成り立つのか……。
マスAには1と2のどちらかが必ず入るので、その数字を入れるとマスB・Cのどちらかに影響が出ます。
マスAに1が入った場合、マスBには3しか入れられません。
マスAに2が入った場合、マスCには3しか入れられません。
どちらにしても「マスB・Cのどちらかに必ず3が入る」ということが言えます。
したがって、★マス(下図)には3を入れることができないわけです。
これが【パターン1】の手筋です。
マスB・Cに入り得る数字を見てみると、「3」が共通しています。
その数字「3」が★マスに入らないことが判明しました。「マスB・Cに共通する数字が★マスに入らない」と覚えると手っ取り早いでしょうか。
実例で解き方を見てみよう
【パターン1】の説明が終わったところで、実例を挙げてみましょう。下図の緑色の3マスに入り得る数字をそれぞれ調べてみます。
すると、この3マスに入り得る数字は各2個ずつで、さらに1・5・7の三つ巴!(下図)これはもう XY-wing法の出番です!
★マスに注目しましょう!
XY-wing法の手筋を使うと、「マスB・Cのどちらかに必ず5が入る」ということがわかります。
そのため、★マス(下図)に5を入れることができません。
★マスを含むタテヨコの列(下図の赤色)を見てみると、5と8以外の数字がすでに入っています。
そして、XY-wing法によって★マスに5が入らないことはもうわかっています。
というわけで、8しか入らないということがわかるわけです。
パターン2
次は、【パターン2】の解説です。
今度は、3つのマスA・B・Cについて、次の状態になっているとします。
- マスAには1と2のみが入り得る。
- マスBには1と3のみが入り得る。
- マスCには2と3のみが入り得る。
- マスAとBは同じ列上にある(ただし、同じブロック内にはない)。
- マスAとCは同じブロック内にある(同じ列上にあるかどうかは問わない)。
- マスA・B・Cは一直線上にない。
【パターン1】とは5番目の条件が異なるだけなので、やっぱりこれも条件が多い〜!
下図を見て、またビジュアル的に理解しちゃってください。
マスAと列を共有しているマスB、マスAとブロックを共有しているマスC。
マスA・B・Cに入り得る数字が2個ずつあってそれらが三つ巴状態。
そんなイメージです(三つ巴とは、上図の 12,13,23 のことです)。
この状況になった時、どういうことが成り立つのか……。
マスAには1と2のどちらかが必ず入るので、その数字を入れるとマスB・Cのどちらかに影響が出ます。
マスAに1が入った場合、マスBには3しか入れられません。
マスAに2が入った場合、マスCには3しか入れられません。
どちらにしても「マスB・Cのどちらかに必ず3が入る」ということが言えます。
そうなると、3を入れられないマスが生じます。
✖印の5マス(下図)です。
赤色の✖マスは、Bと同じヨコ列かつCと同じブロックに属しています。
そのため、BとCのどちらに3が入っても赤色✖マスに3を入れることができません。
青色の✖マスは、Bと同じブロックかつCと同じヨコ列に属しています。
そのため、同様に青色の✖マスに3を入れることができません。
これが【パターン2】の手筋です。
【パターン1】とは結論がだいぶ違いますね。
マスB・Cに入り得る数字を見てみると、「3」が共通しています。
その数字「3」が✖マスに入らないことが判明しました。
「マスB・Cに共通する数字が✖マスすべてに入らない」と覚えると手っ取り早いでしょうか。
上記ではAとBが同じヨコ列に属している場合の説明をしましたが、当然、AとBが同じタテ列に属している場合でも同じことが成り立ちます。
例えば、3マスA・B・Cが下図のような状態の場合です。この場合も、同じ理屈により✖印の5マスに3を入れることはできません。
実例で解き方を見てみよう
【パターン2】の方も実例を挙げましょう。
下図の緑色の3マスに入り得る数字をそれぞれ調べてみます。
すると、この3マスに入り得る数字は各2個ずつで、さらに2・4・8の三つ巴!(下図)さぁ、XY-wing の出番です!
早速使いましょう!
XY-wing法の手筋を使うと、「マスB・Cのどちらかに必ず2が入る」ということがわかります。
そのため、✖印のマス(下図)に2を入れることができません。

✖印のマスに2が入らないことを踏まえつつ、緑色ブロックと赤色ヨコ列を見てみると……どちらも2が判明しちゃいました!
XY-wing法を使うためには、たくさんの空きマスに対して入り得る数字を逐一調べて、該当の3マスを見つけなければいけません。
そういう意味では、多少メンドウな手筋と言えます。
タテ列やヨコ列を見て、入り得る数字が「a, b」と「a, c」(a, b, c はとある数字)の形である2マスが見つかった時、「あ、三つ巴があるかも……」と XY-wing の手筋を意識してみると良いかもしれません。
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問題に挑戦しよう
ここでは、このサイトの数独解き方シリーズ最後の「XY-wing法(エックス・ウィング)法」を知りました。
この解き方を使って以下の問題に挑戦してみましょう!
[問題掲載予定]
まとめ
- XY-wing法は三つ巴の数字をマスを見つけて、数字の候補を絞る方法です。
- パターン1とパターン2があり、広い視野を持って使えるパターンを探す能力が必要な上級者向けのテクニックです。
ディスカッション
コメント一覧
すごく丁寧でわかりやすい解説でした。
ありがとうございます。
これで、数独の技がひとつ増えてとても嬉しいです!!
とても見やすく読みやすくよくわかる説明でした
特に今までモヤモヤしていたパターン 2 がスッキリしました
ありがとうございます
ただ パターン 1 の実例であげられておられる例題に間違いはございませんでしょうか ?
このままでは解がないように思えます
ちなみに 1 番上の行の 7 番目のマスにある 「3」 を空白に置き換えるとうまくいくみたいです
これからもおもしろい記事楽しみしております
アプリでナンプレをやっていて、
全く解答が分からず、ヒントで解説も出たのにそれも何を言っているのかさっぱりで…モヤモヤか収まらなかったので調べてみたところこちらに辿り着きました。
アプリの解説はパターン2の方だったんだとやっと、わかりました。
ありがとうございます。
オモロイ