全員の借金をすべて返済する方法 – これで日本も借金なしの国になれる?

この方法を使えば、みんなの借金をチャラにすることができるかもしれません。
ここでは、誰も損しない上に、みんなの借金を無くす方法を紹介します。
これでみんなハッピーです!
…怪しいですね。何か落とし穴がありそうです。
すべての借金をチャラにする方法
いきなりですが、以下の物語をお読みください。ちょっとだけ長めです…
あるところに、くたびれた田舎町があります。ここの住人は皆すべからく貧乏です。
そんな田舎町に一軒のホテルがありました。もちろん、このホテルの主人も貧乏です。主人の名前はスティーブといいます。
ある日の早朝、スティーブのホテルへ一人の男が現れました。めったに来ない客にスティーブのテンションが上がります。
しかも、その客はこの田舎町を調査するために長期で滞在したいということで、事前に50万円を前金としてホテルへ払うというのです。
50万円を貰ったスティーブは、そのまま大工のもとへ向かいました。
以前、スティーブはその大工にホテルの部屋を改装してもらったのですが、お金がなくて代金を支払ってなかったのです。要は借金をしていたのです。
大工のもとへ着くと、借りていた50万円をすべて支払いました。これで、スティーブの借金はチャラです。
それを受け取った大工は、いつも商売道具の大工道具を買っている金物屋へいき、以前から滞納していた50万円を返しました。
これで、大工の借金は無くなりました。
大工から50万円を受け取った金物屋の主人は、以前パーティーを開いたホテルへ向かいます。
金物屋の主人はパーティーを開いたホテルに、パーティー代の50万円を借金していたのです。
そして、そのホテルとはスティーブのホテルでした。スティーブは金物屋の主人から50万円を受け取ります。
スティーブは、朝借金を返済した日に、さらに今度は50万を受け取って大喜びです。
そこへ、今朝現れたホテルへ長期滞在したいという客が戻ってきました。
彼はこう言います。「この町は私の調査をするには向いていなかったようだ。やっぱりホテルに泊まるのはやめにする。前金で支払った50万円を返してくれないか?」
ホテルの主人スティーブは断るわけにもいかず、さっき貰ったばかりの50万円を彼に返します。
浮かれてたスティーブの気分は、すっかり落ち込んでしまいました。
しかし、スティーブはこう考えます。
確かにいまは利益は0円だが、そもそもホテルへ泊まる人がいなかったと思えば損ではないな。
しかも今日の朝、彼から受け取った50万円で借金をすべて返せたのだから、今の自分は得している状況なのは間違いないな…
そう考えると、やっぱりハッピーな気分になってきました。
スポンサーリンク
物語について考えてみよう
この物語の注目すべきところは、ホテルの主人であるスティーブだけでなく、登場人物全員が損をしていないということです。
それどころか、スティーブが借金を返した大工、大工が借金を返した金物屋の二人も抱えていた借金を返済できたのですから、明らかに得をしてます。
そして、ホテルへ泊まろうとしていた客も50万円預けて、それを取り戻しただけですので損はしていません。プラスマイナスゼロです。
あれっ?…イイことばっかりですね。
実際はどうなの?
「こんなにいい方法があるなら、現実の世界もこれで全員の借金をチャラにしてやればいいじゃないか?」
「なんでみんなやらないんだ?気づいてないだけなら教えてあげればいい!」
…でも、待ってください。
そんなうまい話が本当にあるのでしょうか?この方法には何か裏があるのではないでしょうか。
そうです。この物語を現実世界でやるのはほとんど不可能です。
それはなぜか?
もう一度、物語の登場人物のことを考えてみましょう。
ホテルのスティーブ、大工、金物屋の三人は確かに借金がありました。
しかし、同時に誰かにお金を貸してもいたのです。
上の図をみると分かりますが、結局、はじめから借金なんて無かったようなものなのです。
借りた分を貸していたのですからね。
現実世界はどうでしょう。
お金を借りる人は、誰かにお金を貸しているでしょうか?
そんなことはあまりないですよね。お金に困っている人が人にお金を貸すなんてことはよっぽどでなければないことです。
やっぱりみんなの借金を無くすなんて魔法のようなことは無理なんでしょうか?
スポンサーリンク
まとめ
- 誰も損せずにすべての借金を無くすという物語を紹介した
- この方法を現実で使うのはほとんど不可能
- やっぱりそう簡単に借金はなくならない
ディスカッション
コメント一覧
パラ中(パラドックス中毒)なう