ルーローの三角形 – 自転車やマンホールに使われている不思議な三角形

ここでは、「ルーローの三角形とは何か?」を始めに紹介します。
また、「ルーローの三角形がどんなところで使われているのか」や「ルーローの三角形の描き方」を紹介しています。
なんとも不思議な性質を持った図形です。楽しんでくださいね。
ルーローの三角形とは
ルーローの三角形とは、正三角形の各辺が円弧になった形の三角形です(下の図)。
通常の正三角形よりも3つの辺が外側に膨らんだ形をしていますね。
この膨らみは、なんとなく膨らんでいるのではなく、ちゃんとした”決まり”を持った形になっていす。
どんな決まりがあるのかは、以下の「ルーローの三角形の描き方」のところで紹介しましょう。
どんな特徴があるのか
ルーローの三角形はどんな特徴があるのでしょうか?
それは、どのように回転しても幅が変わらないという特徴を持っています。
このような特徴を持っているのは、ルーローの多角形(ルーローの三角形以外にも五角形など頂点の数を増やした図形が存在します)もしくは円のみです。
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ルーローの三角形は何に使われているの?
自転車の車輪にする
「”どう回転しても幅が変わらない”という特徴を持っているのであれば、自転車の車輪にもできるのではないか?」
と考えてしまったのが、中国のGuan Baihuaさんです。
彼は、2008年から約1年半の歳月を費やし、車輪にルーローの多角形を使った自転車を開発しました。
下の画像はその自転車です。
前輪がルーローの五角形、後輪が三角形となっています。
この自転車、パッと見はこぐと上下に激しく動きそうですが、上で紹介した特徴(どう回転しても幅は変わらない)があるため、普通の自転車と同じようにスムーズに快適に走ることができます。
以下の動画でその走る姿が紹介されています。
遊び心を持った面白いおじさんですね。
お掃除ロボットの形に採用
次は、私たちの暮らしに身近なルーローの三角形の使われ方を紹介しましょう。
それは、お掃除ロボットです。
下の画像は、”ルーロ”という自動お掃除ロボットです。日本でパナソニックが開発しました。
もはや名前がそのままルーローから来ていることがわかりますね。
ルーローの三角形の形をしています。
なぜこのような形のお掃除ロボットが登場したのでしょうか?
従来のお掃除ロボットは、円の形をしていますが、それでは隅のゴミまで取りきれません。
一方、ルーローの三角形であれば、円よりは隅のゴミまで取りきることができるのです。
しかし、ここで問題になるのが、隅まで行ったときの方向転換です。
お掃除ロボットを持っている人は知っていると思いますが、ロボットが方向転換するとき、本体の中心を軸としてグルっとまわります。
このとき、回転によって本体の幅が変わってしまうと、壁に当たり回転できなくなります。
もうお分かりでしょうが、そこでルーローの三角形の出番です。
どんなに回転しても幅が変化しないのが、ルーローの三角形ですので、壁に当たらず方向転換できるのですね。
正方形に穴を開ける
ルーローの三角形は、工業用の部品などを作成するとき、正方形に穴を開けることにも使われているようです。
ルーローの三角形を回転させるとき、軸を少しずらして回転させることで、その枠は正三角形となります。
ただ、よく見ると隅の部分にわずかだけ隙間がありますね。
完璧にきれいな正方形にはならないようです。
マンホール
ルーローの三角形は、マンホールの形にも採用されてもよい条件を満たしています。
マンホールはほとんどが円の形をしています。
その理由の一つが、どんな向きにしても、穴に落ちないからです。
マンホールが円の形をしている理由については、以下の記事をご覧下さい。
このように、安全性の観点から円形が採用されているわけですが、どんな向きでも幅が変わらないのは、ルーローの多角形だって同じです。
おしゃれなマンホールの形として採用されてもよさそうですよね。
しかし、わたしは実際にルーローの三角形のマンホールを発見できませんでした。
作るのが面倒だし、コストもかかりそうですもんね。
もし「見つけたっ」という人は是非教えてください!
ルーローの三角形の描き方
ルーローの三角形は不思議な形をしていますが、簡単に描くことができます。
まず、通常の正三角形を描きます。
そして、下の図のように、一つの頂点を軸として、コンパスで円弧を描きましょう。
このとき、円弧は他の2つの頂点を通るようにしましょう。
同じように、他の2つ頂点からも円弧を描きます。
この一番外側の線の少し膨らんだ三角形がルーローの三角形です。
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まとめ
- ルーローの三角形とは、正三角形の各辺が少し外側に膨らんだ形をしている
- ルーローの三角形はどんなに回転しても幅が変わらない。この特徴を持っているのは、円とルーローの多角形のみ
- ルーローの三角形は、自転車の車輪、お掃除ロボット、四角形を空ける工業用機械などに使用されている
- ルーローの三角形は、正三角形の各頂点からコンパスで円弧を描くと出来上がり
ディスカッション
コメント一覧
(*^_^*)
っっっっっっっっっっっj
マツダのロータリーエンジンが、このような動きをしているようですが、違いますか
違うようだ。2019/4/17日3時35分午前に投稿した方。
3時35分は闇が深すぎw
勉強になりますようなので今日からメールしています。
ルーローの9角形を作ってしまった!
すごい
紙のサイズが、たりないーーーーーーーーーーーー!
勉強になります。
w
ルーロー型のマンホール見つけました
ルーローの三角形を自転車に使っても、軸からの距離が一定じゃないから無理。
サスペンションで、それを吸収してるだけで、スムーズでしょ?と言われてもなあ。
サスペンション無しでやってもらいたい。
そして数学というなら、ルーローの三角形が回転する事に中心軸がどのように移動するかの軌跡も明記して欲しかった
あと、マンホール、ルーローの三角形でも落ちないって事を達成できますが、マンホールを開けてから、また蓋をするときに、角を揃えないと入らないのが、クソ面倒くさいと思いますよ。
ただでさえ重いのに、向きを揃える手間が。
丸ならどの向きでも入りますから。
それと水害の時にマンホールから水が逆流することも。
蓋が持ち上がるんですが、丸の方が元の位置に戻ってまたハマりやすいんですよ
ルーローの三角形だと、蓋が少しでも回転してしまうと、もう穴と合わなくなる