【中学2年数学(式の計算)】単項式と多項式とは – その次数と係数もマスターしよう


- 単項式・多項式とは何かを知りたい
- 単項式と多項式の見分け方がわからない
- 次数と係数について知りたい
ここでは、単項式(たんこうしき)と多項式(たこうしき)について、詳しく説明しています。
単項式と多項式を見分けるにはどうしたらよいのでしょか?
次数(じすう)と係数(けいすう)とは何でしょうか?また、これらを知るにはどこを見ればよいのでしょうか?
このような疑問が一気に解決するような内容になっています。
単項式と多項式とは – 違いを見分けれるようになろう
数式には、単項式(たんこうしき)と多項式(たこうしき)の二種類があります。
どんな数式もこのどちらかの種類に必ず属しています。
単項式と多項式を、教科書などに書いてあるように言葉で説明すると、
- 単項式 … 数や文字の乗法(掛け算)・除法(割り算)だけで表せる式
- 多項式 … 単項式の和(足し算)・差(引き算)の形として表せる式
となります。
言葉での説明より、実際にいろいろな式を見てきながら、理解していきましょう。
単項式はこんなの
では、単項式から見ていきましょう。
単項式は、例えば次のようなものです。
\begin{align}
1, \quad \frac{5}{6}, \quad 2ab, \quad \frac{3}{2} x^3, \quad -x^2y^3
\end{align}
この式はすべて単項式ですが、すべての式に共通していることがあります。
それは、
足し算や引き算が使われていない
ということです。
例えば、\(2ab\)は、
$$2ab = 2 \times a \times b$$
です。
掛け算しか使っていませんね。
では、\(\frac{3}{2} x^3\)はどうでしょうか?これは、
$$\frac{3}{2} x^3 = 3 \div 2 \times x \times x \times x$$
であり、掛け算と割り算を使っていますが、足し算と引き算は使われていません。
最後に、\(-x^2y^3\)はどうでしょう。
先頭に、\(-\)(マイナス)がついていますが、
$$-1 \times x \times x \times y \times y \times y$$
と表すことができるので、やはり足し算と引き算は使っていません。
このように、”足し算と引き算を使っていない式”が単項式であると覚えましょう。
多項式はこんなの
次に多項式です。
単項式でないものがすべて多項式ですので、単項式を理解すれば多項式は簡単にわかるでしょう。
多項式は、
足し算や引き算が使われている式
です。
下の式は、すべて多項式です。
\begin{align}
1-a, \quad \frac{1}{2}x-y^2, \quad ax+b, \quad \frac{a-3b}{2}
\end{align}
足し算や引き算が含まれていることがわかります。
上の式リストで、最後の\(\frac{a-3b}{2}\)は、一つの式に見えますが、式を変形すると、
$$\frac{a-3b}{2} = \frac{1}{2}a – \frac{3}{2}b$$
と二つの単項式からなっていますね。
なので、多項式です。
このように、”多項式は足し算と引き算が使われている式”ということを覚えましょう。
そして、”多項式はいくつかの単項式からできている”ということも大切です。
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次数と係数
単項式と多項式を見分けることができるようになったら、次は次数(じすう)と係数(けいすう)をマスターしましょう。
次数とは
まずは、次数からです。
次数とは、
掛け合わさっている文字の個数
のことです。
例えば、
$$x^2$$
について考えてみましょう。
これは、次のように書き直せます。
$$x \times x$$
\(x\)が2つ掛け合わさっていますね。
なので、\(x^2\)の次数は”\(2\)”ということになります。
$$x^2\text{の次数} = 2$$
掛け合わさっている文字は同じである必要はありません。
例えば、
$$ab$$
は、
$$a \times b$$
ですので、これも文字(\(a\)と\(b\))の2つが掛け合わさっています。
よって、\(ab\)の次数は\(2\)です。
$$ab\text{の次数} = 2$$
このような考え方で、次の式の次数を考えてみてください。
$$9a^2xy$$
少し難しいですか?
でも大丈夫です。丁寧に一つ一つを分解して、文字の数を数えましょう。
これは、掛け算の記号(\(\times\))を使って表すと、
$$9 \times a \times a \times x \times y$$
ですね。
掛け合わさっている文字は、\(a\)が2つと\(x\)と\(y\)が1つずつの計4つです。
ですので、
$$9a^2xy\text{の次数} = 4$$
となります。
一番先頭の”\(9\)”は数字であり、文字ではありません。ですので、これはカウントしないことに注意してください。
多項式の次数
ここまでは、単項式の次数について見てきました。
では、多項式の次数はどうでしょうか。
次の式を見てください。
$$7x^2-x-7$$
この式は引き算が使われているので、多項式ですね。
この多項式は以下の3つの単項式から作られています。
$$7x^2, \quad -x, \quad -7$$
はじめの\(7x^2\)は\(7 \times x \times x\)となるため、次数は\(2\)です。
$$7x^2\text{の次数} = 2$$
次に、二番目の\(-x\)の次数は、
$$-x\text{の次数} = 1$$
ですね。
最後に\(7\)の次数は\(0\)です。数字だけで一つも文字が使われていませんからね。
$$7\text{の次数} = 0$$
さて、では元の多項式\(7x^2-x-7\)の次数は何でしょうか?
多項式の次数は、
多項式を作っている単項式の中で、一番大きい次数がその多項式の次数
になります。
多項式\(7x^2-x-7\)を作っている単項式
$$7x^2, \quad -x, \quad -7$$
の中で一番大きい次数を持つのは、\(7x^2\)の次数\(2\)でした。
よって、多項式\(7x^2-x-7\)の次数は\(2\)となります。
$$7x^2-x-7\text{の次数} = 2$$
\(7x^2\)の次数\(2\)と\(-x\)の次数\(1\)を足して、\(2+1=3\)としてはいけませんので、注意してくださいね。
練習してみよう
では、練習で次の式の次数を考えてみてください。
$$ab^2 + a^2b – 2a$$
まずは、単項式に分解します。すると、
$$ab^2, \quad a^2b, \quad – 2a$$
です。
それぞれの次数を計算すると、
\begin{align}
ab^2 = a \times b \times b \rightarrow \text{次数}3 \\
a^2b = a \times a \times b \rightarrow \text{次数}3 \\
-2a = 2 \times a \rightarrow \text{次数}1
\end{align}
です。
一番大きい次数ははじめの2つの”次数\(3\)”ですね。
よって、\(ab^2 + a^2b – 2a\)の次数は\(3\)となります。
$$ab^2 + a^2b – 2a\text{の次数} = 3$$
どうでしたか?できましたか?
\(1\)次式や\(2\)次式
- 次数が\(1\)の式を、\(1\)次式(いちじしき)
- 次数が\(2\)の式を、\(2\)次式(にじしき)
と言います。
これは、\(3\)以上も同様です。
例えば、上の練習問題の式\(ab^2 + a^2b – 2a\)の次数は\(3\)でしたね。
なので、これは\(3\)次式ということになります。
$$ab^2 + a^2b – 2a \rightarrow 3\text{次式}$$
係数(けいすう)とは
次は、係数です。
係数は簡単です。
文字についている数字のことを係数(けいすう)
と呼びます。
例えば、
$$6xy$$
であれば、文字(\(xy\))についている数字は\(6\)ですね。
なので、\(6xy\)の係数は\(6\)ということになります。
$$6xy\text{の係数} = 6$$
では、次の式の係数はなんでしょうか?
$$- \frac{2}{5} a^2b^3$$
文字以外の部分が係数ですので、この式の係数は、
$$- \frac{2}{5} a^2b^3\text{の係数} = -\frac{2}{5}$$
ですね。
では、多項式に対して係数とはどこになるのでしょうか?
実は、多項式に対して、係数というものはありません。
「この多項式の係数はなんでしょう?」という問題は出ないということです。
係数は、単項式のためだけのものなのですね。
まとめ
ここまでで学んだあなたは、単項式と多項式を見分ける問題を100%解けるようになっていますよ。
そして、次数や係数も、これから習う計算問題を解くためにとても重要な考え方です。
ぜひ、ここでマスターしてくださいね。
では、最後にここで学んだ重要ポイントを復習して終わりましょう。
すべての数式は単項式と多項式に分類される。
単項式:足し算と引き算が使われていない計算
多項式:足し算と引き算が使われている計算
多項式はいくつかの単項式から作られている。
単項式の次数は、掛け合わさっている文字の数である。
多項式の次数は、多項式を作っている単項式のうち、もっとも次数が大きい数となる。
係数は、文字以外の部分(数字の部分)である。
では、また会いましょうね。
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