【中学2年数学(確率)】くじを使った確率の問題を攻略しよう


- くじが出てくる確率の問題が苦手
- くじを使った確率の問題をいろいろ知りたい
- くじの確率問題で注意するポイントや解くコツを知りたい
くじは私たちの日常生活の中でもよく登場します。
なので、確率の問題にもよく出題されるテーマとなっています。
ここでは、そんなくじが登場する問題を解くためのコツを、実際に例題をときながら、丁寧に解説していきます。
【動画解説】
※記事の内容はもっと詳しい説明となっていますので、記事にも目を通してみてくださいね。
くじの確率問題を攻略しよう
このページは中学数学の確率のなかでも、とくに”くじ”が登場する問題を解く方法やコツについて紹介していきます。
実際に問題を解きながら、重要なポイントについて解説していきますので、ゆっくりと焦らず進めていってくださいね。
このページを読み終わったときには、くじが出てくる確率の問題は、
「まったく、怖くないよ」
と言えるようになってくれることを目標にしています。
それでは、はじめていきましょう。
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アタリくじとハズレくじ
”くじ”を使った確率の問題で、非常に重要なポイントがあります。
問題を解きはじめる前に、まずはそのポイントから説明しましょう。
重要なポイント、それは、
一度引いたくじを箱に戻すか、戻さないか
です。
例えば、くじの確率の問題では、当然くじを引くのですが、1回ではなく2回引く場合が多いです。
問題文の例を示すと、
箱の中に2本のアタリくじと、3本のハズレくじが入っています。この箱から2回くじを引くとき、…
のような感じです。
このとき、問題は次の2パターンに分かれます。
- 1回目に引いたくじを箱に戻して、2回目を引く場合
- 1回目に引いたくじを箱に戻さずに、2回目を引く場合
この2つです。
どちらのパターンであるかによって、問題の解き方が少し変わってきますので、まずはこの2パターンの違いについて、問題を解きながら説明していきましょう。
くじを戻して2回目を引く場合
まずは、くじを箱に戻して2回目のくじを引く場合です。
次の問題を考えていきましょう。
箱の中に2本のアタリくじと、3本のハズレくじが入っています。
この箱から2回くじを引くとき、次の確率を求めなさい。
1回目に引いたくじを箱へ戻し、2回目のくじを引くとき、引いたくじが2回ともハズレである確率
このように、問題文に”1回目に引いたくじを箱へ戻し…”と書いてあります。
この問題を解いていきましょう。
引いたくじが2回ともハズレである確率は、1回目にハズレを引く確率と、2回目にハズレを引く確率を掛ければよいです。
さらっと言いましたがこれは重要なことです。
このページの後半で詳しく説明しますが、
2回続けてくじを引いたときの確率は、それぞれ1回目と2回目の確率を掛け算することで、最終的な確率が求まる
のです。
では、1回目にハズレを引く確率から求めてみましょう。
5枚のくじの中にハズレくじは3枚あるので、
$$\text{1回目にハズレを引く確率} = \frac{3}{5}$$
となりますね。
次に、2回目にハズレくじを引く確率です。
ここで注意するのは、1回目に引いたくじの行方(ゆくえ)です。
問題文には「1回目に引いたくじを箱へ戻し…」とありますので、1回目に引いたくじは箱の中にあ戻っていますね。
ということは、箱の中のくじの状態は、最初と同じ状態です。
ということは、2回目にハズレを引く確率も1回目と同じですね。
なので、
$$\text{2回目にハズレを引く確率} = \frac{3}{5}$$
となります。
あとは、1回目と2回目の確率を掛ければ、2回ともハズレである確率となるので、
$$\text{2回ともハズレである確率} = \frac{3}{5} \times \frac{3}{5} = \frac{9}{25}$$
となります。
ここまでは、いいですか?
わかりにくいところがあれば、下のコメント欄から質問してくださいね。
くじを戻さずに2回目を引く場合
次に、1回目に引いたくじを箱に戻さすに2回目のくじを引きます。
箱の中に2本のアタリくじと、3本のハズレくじが入っています。
この箱から2回くじを引くとき、次の確率を求めなさい。
1回目に引いたくじを箱へ戻さずに、2回目のくじを引くとき、引いたくじが2回ともハズレである確率
問題文は前とほとんど変わっていません。
唯一、最後の”箱へ戻さずに”という部分が変わっているだけです。
この場合を考えていきましょう。
1回目のくじでハズレを引く確率は、前に求めたものと同じですね。
$$\text{1回目にハズレを引く確率} = \frac{3}{5}$$
です。
注意すべきは、次の2回目のくじを引く場合です。
1回目に引いたくじの行方(ゆくえ)はどうなったでしょう?
問題文は”箱へ戻さず”ということだったので、箱の中にはないことは確かです。
ということは、箱の中の状態は1回目にくじを引いたときとは、くじの状態が変わっていますね。
1回目でハズレくじを引いた場合を考えているので、2回目にくじを引くときは箱の中のハズレくじは1枚減っている状態のはずです。
- アタリが2枚
- ハズレが2枚
となっているはずですね。
この中からハズレくじを引く確率は、
$$\text{2回目にハズレを引く確率} = \frac{2}{4}$$
となりますね。
よって、1回目と2回目の確率を掛け算して、
$$\text{2回ともハズレである確率} = \frac{3}{5} \times \frac{2}{4} = \frac{3}{10}$$
となります。
確率を比べてみよう
くじを箱に戻す場合と戻さない場合の2つのときの確率がそれぞれ求まったので、比較してみましょう。
2回くじを引いて2回ともハズレである確率は、
- くじを箱に戻す場合:\(\frac{9}{25} = 0.36 = 36\%\)
- くじを箱に戻さない場合:\(\frac{3}{10} = 0.333 = 33.3\%\)
でした。
これより、若干ですがくじを箱に戻す場合の方が、ハズレくじを2回引く可能性が高いことがわかりますね。
このように、箱に戻すときと戻さないときで答えが変わってきます。
よく問題文を読んで、どちらのパターンなのかを確認してから問題を解きましょう。
くじ連続で引く場合は、掛け算する
次は、もう一つ重要なポイントについて、説明します。
それは、
くじを連続で引くときの確率は、それぞれの確率を掛け算する
ということです。
どういうことでしょうか?
以下の問題を例に説明していきます。
箱の中に2本のアタリくじと、2本のハズレくじが入っています。
この箱から2回くじを引くとき、次の確率を求めなさい。
1回目に引いたくじを箱へ戻して2回目のくじを引くとき、引いたくじが2回ともアタリである確率
まず、1回目と2回目にアタリくじを引く確率を求めましょう。
”1回目に引いたくじは箱へ戻す”ため、1回目と2回目にアタリくじを引く確率はどちらも、\(\frac{1}{2}\)となります。
\begin{align}
\text{1回目にアタリくじを引く確率} = \frac{2}{4} = \frac{1}{2} \\
\text{2回目にアタリくじを引く確率} = \frac{2}{4} = \frac{1}{2}
\end{align}
となります。
そして、これから2回ともアタリくじである確率は、1回目と2回目の確率を掛けて、
$$\text{2回ともアタリくじである確率} = \frac{1}{2} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4}$$
となります。
\(\frac{1}{4}\)というと、\(25\)%ですね。
ここで言いたいことは、
連続して起こる確率を求めるときは、1回目と2回目…の確率を掛け算して求める
ということです。
足し算するのではないということに注意してください。
なぜ足し算ではなく掛け算なのか
では、なぜ足し算ではなくて掛け算になるのでしょうか?
ちゃんとした説明は難しいですが、足し算がなぜダメなのかはすぐにわかります。
試しに足し算で求めると、
$$\text{2回ともアタリくじである確率} = \frac{1}{2} + \frac{1}{2} = 1$$
となります。
すると、答えは\(1\)です。\(1\)は\(100\)%ということですね。
確率が\(100\)%ということは、絶対にそうなるということです。
いま考えている問題は、下の図のように、アタリくじとハズレくじが2本ずつ入っている箱から2回くじを引いて、2回ともアタリがでる確率です。
その答えが100%というのは、明らかにおかしいことがわかりますよね。
なので、足し算で求めるのは、間違いなのです。
掛け算で求めましょう。
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まとめ
お疲れさまでした。
くじを使った確率の問題の解き方のコツを紹介してきましたが、どうでしたか?
くじは私たちの生活で時々見かける身近なものです。
例えば、
- 学校のクラスの係決め
- 福引
- 宝くじ
などがありますね。
そのため、確率の問題でもよく出題されるテーマとなっています。
ここで学んだことをしっかりと理解すれば、たいていの基本的な問題は解けるようになっているはずです。
では、最後に重要ポイントを復習して終わりましょう。
くじの確率の問題は、1回目に引いたくじを、
- 箱に戻す
- 箱に戻さない
かで解き方が変わってくることに注意する。
問題文をよく読んで、どちらのパターンであるかを調べよう。
連続でくじを引いたときにある状態になる確率は、それぞれ1回目と2回目の確率を掛けることで求める。
足し算ではなく、掛け算であることに注意。
では、さようなら。
質問は下のコメント欄から気軽にしてくださいね。
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コメント一覧
10本のうち、3本の当たりくじが入ったくじを、A,Bがこの順番で引くとき次の確率を求めなさい。
①少なくともどちらかが当たる確率
②Bが当たる確率
この問題の解説をして頂けませんか?
お願いします。
10本のうち、当たりくじが3本入ったくじを
A.Bがこの順番で引くとき次の確率を求めなさい。
①少なくともどちらかが当たる確率
②Bが当たる確率
解説お願いします
説明していた問題にAさんと Bさんが登場して
「少なくとも1人は」が加わっている場合はどうしたらよいでしょうか