【中学2年数学(確率)】くじを連続で引いた場合と同時に引いた場合で確率は変化するの?


- くじを連続で引く場合と同時に引く場合で確率が変化するのか知りたい
- 「連続で引く」と「同時に引く」場合の確率の求め方を知りたい
中学校で習う確率には、よく
「くじを2枚引いて当たりが出る確率は?」
という問題が登場します。
そのとき、くじの引き方に「連続で2枚引く」や「同時に2枚引く」と少し異なる引き方をすることがあります。
この二通りのくじの引き方、
- 「連続で引く」
- 「同時に引く」
の違いで、当たりが出る確率は変わってくるのでしょうか?
この引き方の違いはどのように考えればよいのでしょうか。
ここでは、「連続で引く」「同時に引く」について考えてみましょう。
まずは問題を解いてみよう
まずは、簡単な問題を解いてみましょう。
次のような問題を考えます。
箱の中に5枚のくじが入っており、そのうち1枚が当たりくじです。
この中から2枚を引くとき、当たりが出る確率を求めよ。
この問題を2通りの引き方で考えてみましょう。
- 2枚のくじを1枚ずつ連続で引いた場合
- 2枚のくじを同時に引いた場合
です。
ここで少し考えてみてください。
この2通りの引き方でくじを引いたとき、どっちが当たりが出る確率が高いと思いますか?
2枚のくじを連続で引いた場合
まずは、くじを連続で2枚引いた場合について、当たる確率を考えてみましょう。
一回目で1枚引きます。
そのときに当たりが出る確率は、
$$\text{一回目に当たりが出る確率} = \frac{1}{5}$$
ですね。
一回目に当たりがでれば、そこで終了なので二回目は引く必要がありません。
一回目でハズレが出る確率は、
$$\text{一回目にハズレが出る確率} = \frac{4}{5}$$
です。
一回目でハズレが出た場合、二回目を引くことになります。
このとき、一回目で引いたくじが箱の中にはないため、くじは4枚になっていることに注意してください。
この中から当たりが出る確率は、
$$\text{二回目に当たりが出る確率} = \frac{1}{4}$$
です。
よって、二回目で当たりを引く確率は、一回目にハズレて二回目に当たる確率のため、
\begin{align}
\text{一回目はハズレて、二回目に当たりが出る確率} &= \frac{4}{5} \times \frac{1}{4} \\
&= \frac{1}{5}
\end{align}
ですね。
最後に、二回くじを引いて当たりが出る確率は、一回目に当たりが出る確率と、一回目は外れて二回目に当たりが出る確率を足したものですので、
\begin{align}
\text{二回くじを引いて当たりが出る確率} &= \frac{1}{5} + \frac{1}{5} \\
&= \frac{2}{5}
\end{align}
となります。
よって、連続でくじを引いた場合の答えは\(\frac{2}{5}\)と覚えておきましょう。
2枚のくじを同時に引いた場合
次は、2枚のくじを同時に引いた場合です。
この場合は、いきなり5枚のくじから2枚を選ぶため、5枚のくじの中から2枚のくじを選ぶパターンの数を数えましょう。
ハズレくじに番号をつけて、くじを区別できるようにします。
上の画像のように、ハズレくじに1~4の番号をつけました。
この5枚の中から2枚のくじの取り出し方は何通り(パターン数)あるでしょうか?
すべてのパターンを書いてみます。
- ハズレ1 + ハズレ2
- ハズレ1 + ハズレ3
- ハズレ1 + ハズレ4
- ハズレ1 + 当たり
- ハズレ2 + ハズレ3
- ハズレ2 + ハズレ4
- ハズレ2 + 当たり
- ハズレ3 + ハズレ4
- ハズレ3 + 当たり
- ハズレ4 + 当たり
の10パターンですね。
この中で当たりが含まれているのは、4, 7, 9, 10の4パターンです。
よって、2枚同時にくじを引いて当たりが出る確率は、
\begin{align}
\text{2枚同時にくじを引いて当たりが出る確率} &= \frac{4}{10} \\
&= \frac{2}{5}
\end{align}
となります。
答えは、\(\frac{2}{5}\)です。
これは、連続でくじを引いたときの確率と同じですね。
$$\text{同時に引いたときの確率}=\text{連続で引いたときの確率}$$
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なぜ同じになるのか?どう考えればよいのか?
なぜ、「連続で引いたとき」と「同時に引いたとき」で確率は同じになるのでしょうか?
これはどう考えたらよいのでしょうか?
それは、
連続で引く行為と同時に引く行為が実は同じもの
だからです。
どういうことかを説明していきましょう。
ここからは、くじを引くときの人間の動作に注目しますので、くじを引く動きをイメージしながら読み進めてくださいね。
連続でくじを選ぶ
連続でくじを選ぶときは、一度くじが入った箱の中に手を入れ、1枚目を引きます。
そのくじが当たりかハズレかを確認して、2枚目のくじを引きます。
1枚目を確認せずに2枚目を引く
では、1枚目のくじが当たりかハズレかを確認しないで、2枚目のくじを引いたらどうでしょうか?
当たりくじを引く確率は変わるでしょうか?
当然、1枚目の結果を確認しようがしまいが、当たる確率は変わりませんよね。
1枚目を手に握ったまま2枚目を引く
では、さらに1枚目を選んだ後、手を箱から出さずに手の中に握ったまま、次の2枚目のくじを選ぶとどうでしょうか?
これも、1枚目のくじを箱の外に出していないだけであり、一つ前の確認せずに2枚目のくじを引く動作と変わりありません。
よって、当たりを引く確率は変わりませんね。
すばやく2枚選ぶ
では、最後です。
上で説明した1枚目を握ったまま2枚目のくじを引くという動作をもっと早く行ってください。
1枚目を選んで掴んだら、そのまますぐに2枚目を掴みます。
そして、箱から手を出してくじの当たりハズレを確認します。
これで当たる確率は変わるでしょうか?
もちろん、変わりませんよね。
では、この「すばやく2枚選ぶ」というくじの引き方は、”どのような引き方”と言えるでしょうか?
そうです!この引き方は、
「同時にくじを引く方法」
ですよね。
はじめは「連続でくじを引く方法」から初めて、当たる確率が変わらないように徐々に引き方を変化させていきました。
そして、最後には「同時にくじを引く方法」となりました。
これで、
連続で引く行為と同時に引く行為が実は同じもの
だということが分かりましたか?
なので、
$$\text{同時に引いたときの確率}=\text{連続で引いたときの確率}$$
なんですね。
うまく伝わればいいのですが、私が言いたいことは伝わったでしょうか?
すでに分かっている人にとっては、
「そんなことわざわざ説明しなくても分かるし」
となることですが、「連続で引く」と「同時に引く」で確率が同じになることを、どう考えてよいか分からない人に納得していただければうれしいです。
まとめ
- 「連続でくじを引く」と「同時にくじを引く」でどっちが当たりが出やすいのかを考えた
- 結果は、どちらの引き方も当たる確率は同じ
- その理由は、どちらの引き方も実は同じ引き方だったから
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