【高校数学(組み合わせ)】コンビネーション(nCr)の計算方法のコツ – できるだけ楽に計算しよう


- 組み合わせの計算(\({}_nC_r\))が苦手
- 組み合わせの計算(\({}_nC_r\))をよく間違えてしまう
- 計算量が多くて嫌いなので、もっと簡単に計算できる方法を知りたい
高校数学の組み合わせの単元で登場するコンビネーション(\({}_nC_r\))は、組み合わせの数を計算するときに便利な道具です。
しかし、その計算は少しややこしく、場合によっては計算量がすごく多くなってしまうこともあります。
ここでは、コンビネーション(\({}_nC_r\))の計算方法を解説します。
そして、その計算をできるだけ簡単にするためのコツまで紹介したいと思います。
組み合わせの計算方法(コンビネーション\({}_nC_r\))
まずは、コンビネーション(\({}_nC_r\))の使い方と計算方法を復習しましょう。
いきなりですが、次の問題を考えます。
5枚のくじがあります。それぞれのくじには1~5までの数字が書かれてあります。
この中から2枚を引いたとき、数字の組み合わせは何通りあるでしょうか。
力技で解いてみる
まずは、力技で数えてみましょう。
1枚目と2枚目に出るくじをすべて書き出すと、
です。
※「2-1」や「4-2」などが考えられてないのは、「1-2」や「2-4」と同じだと考えているからです。
すべての組み合わせを足し合わせると、
$$4+3+2+1=10$$
なので、答えは「\(10\)通り」となります。
コンビネーションを使えば簡単に計算できる
中学数学の知識の範囲だと、上のようにすべての組み合わせを書き出して、数えるしかありませんでした。
しかし、高校数学で登場するコンビネーションを使えば、もっと楽にすべての組み合わせを計算できます。
例えば、上の問題であれば、全部で5つの中から2つを選ぶ場合の組み合わせの数ですので、次のように表現できます。
$$\text{5つの中から2つを選ぶ場合の組み合わせの数}={}_5C_2$$
これを計算すればよいのです。
計算方法は、まず\({}_5C_2\)の\(2\)に注目します。
この数を1ずつ1になるまで減らしていきます。そしてそれらの数を掛けます。
つまり、
$$2 \times 1$$
ですね。
これを分数の分母へ配置します。
$${}_5C_2 = \frac{?}{2 \times 1}$$
分子はまだわかっていません。
次に、\({}_5C_2\)の\(5\)についても、1ずつ1になるまで減らしていき、掛け算します。
ただし、掛ける数は、分母で掛けている数(すなわち、2つ)とします。
$$5 \times 4$$
これを分子に書いて、
$${}_5C_2 = \frac{5 \times 4}{2 \times 1}$$
としましょう。
後は、これを計算するだけです。
\begin{align}
{}_5C_2 &= \frac{5 \times 4}{2 \times 1} \\
&= \frac{20}{2} \\
&= 10
\end{align}
前の力技で計算したときと同様に答えになりましたね。
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コンビネーション\({}_nC_r\)の計算のコツ
コンビネーション\({}_nC_r\)の計算方法はわかったと思います。
次は、これをいかに簡単に計算するかを考えていきましょう。
例題として、次の計算をしましょう。
$${}_6C_4$$
これを素直に計算してみます
まずは、分母に4から1の数字を掛けます。
$${}_6C_4 = \frac{?}{4 \times 3 \times 2 \times 1}$$
次に、分子に6から1ずつ減らしていった数を分母の数と同じだけ掛けます。
$${}_6C_4 = \frac{6 \times 5 \times 4 \times 3}{4 \times 3 \times 2 \times 1}$$
これを計算して、
\begin{align}
{}_6C_4 &= \frac{6 \times 5 \times 4 \times 3}{4 \times 3 \times 2 \times 1} \\
&= \frac{360}{24} \\
&= 15
\end{align}
ですね。
結構、計算が大変だったでしょう。
計算を楽にする方法①:分母・分子を計算してしまう前に約分する
この計算を楽にする方法の一つ目は、
分母・分子を計算してしまう前に約分する
です。
どういうことか実際の計算で見てきます。
まずは、
\begin{align}
{}_6C_4 = \frac{6 \times 5 \times 4 \times 3}{4 \times 3 \times 2 \times 1}
\end{align}
までは同じです。
ここで、分母・分子を先に計算してしまうのではなく、分母と分子を見て同じ数があれば消してしまいます。
すなわち、約分をするのですね。
さらに、\(2\)と\(6\)も約分できます。
よって、
\begin{align}
{}_6C_4 &= \frac{6 \times 5 \times 4 \times 3}{4 \times 3 \times 2 \times 1} \\
&= 3 \times 5 \\
&= 15
\end{align}
となります。
すごく簡単な計算だけで求めることができましたね。
\({}_nC_r = {}_nC_{n-r}\)を使う
もう一つ、コンビネーションの計算を簡単にする方法があります。
それが、
コンビネーションの形を変形する
ということです。
コンビネーション\({}_nC_r\)は、次のような等式が成り立ちます。
$${}_nC_r = {}_nC_{n-r}$$
右側の数字を二つの数字の引き算に直すんですね。
この変形を\({}_6C_4\)に使うと、
\begin{align}
{}_6C_4 &= {}_6C_{6-4} \\
&= {}_6C_2
\end{align}
となります。
この計算は簡単ですね。
\begin{align}
{}_6C_2 &= \frac{6 \times 5}{2 \times 1} \\
&= \frac{30}{2} \\
&= 15
\end{align}
となります。
この変形は、\({}_nC_r\)の\(r\)が大きな数字のときに便利です。
その理由は、\(n-r\)が小さくなるからですね。
「\(r\)が大きいな」と感じたら、この変形を使って簡単にして計算しましょう。
以上、コンビネーション\({}_nC_r\)の計算を簡単にする二つの方法を紹介しました。
- 分母と分子を計算する前に約分する
- 簡単な形に変形する
この二つの方法は、テストなどで本当に役に立つテクニックです。
ぜひ、使えるようになりましょう。
まとめ
- 組み合わせの計算に使用するコンビネーション\({}_nC_r\)の計算方法を学んだ
- 計算を簡単にするためのテクニックは二つ
- 分母と分子を計算する前に約分する
- 簡単な形に変形する
ディスカッション
コメント一覧
わかりやすかったです。今度テストで使ってみます
コンビネーションの計算の仕方を説明する際に, どうしてこうなるのか,本来の組み合わせの公式を提示した上で解説するべきです。(階乗の説明と共に)