ヘロンの公式で三角形の面積を求める – 三辺の長さがわかっているときはコレ!

2018年9月1日

この記事ではこんなことを紹介しています

三角形の面積を求めるための公式の一つに”ヘロンの公式”というものがあります。

この公式はどんなときに使えるのでしょうか?

ここでは、ヘロンの公式が使える条件を説明したあと、実際に公式を使って三角形の面積を求める例題を示します。

また、最後はヘロンの公式がどうして成り立つのかを丁寧な式変形によって、解説していきたいと思います。

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ヘロンの公式とは – どんなときに使えるの?

三角形の面積を求めるための公式はたくさんあります。

 

その中でも「ヘロンの公式」というものがあります。以下のような公式ですね。

$$\text{三角形の面積\(S\)} = \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}, \qquad s=\frac{a+b+c}{2}$$

\(a\), \(b\), \(c\)が何なのかは後で説明します。

ここでは、「ヘロンの公式ってこんな感じの形をしてるんだ」ぐらいでお願いします。

 

高校数学で登場するのですが、あまり重要でない公式として扱われています。

「習った記憶がない」という人も多いかもしれません。

それぐらいマイナーな公式です。

 

その理由は、ヘロンの公式を覚えなくても余弦定理という公式を使えば、三角形の面積は求められてしますからです。

余弦定理に関しては以下の記事が詳しいですので、詳しく知りたい方はどうぞ覗いてみてください。

 

しかし、ある条件が揃っている場合、ヘロンの公式を使った方が格段に早く面積を求めれます。

その条件とは、

面積を求めたい三角形の三辺の長さがすべてわかっている場合

です。

 

このとき、ヘロンの公式は以下のようになります。

$$\text{三角形の面積\(S\)} = \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}, \quad s=\frac{a+b+c}{2}$$

ここで、\(a\), \(b\), \(c\)は三角形の各辺の長さです。そして、\(s\)はそれらをすべて足して\(2\)で割った数です。

 

この公式を眺めてみると、面積を求めるために必要な情報は三つの辺の長さだけです。

角度の情報はいっさい必要ありません。これは楽ですね。

 

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ヘロンの公式を使って三角形の面積を求めてみよう

実際にヘロンの公式を使って三角形の面積を求めてみましょう。

もう一度、ヘロンの公式を書いておきます。

\begin{align}
S & = \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}, \quad s = \frac{a+b+c}{2} \\
& \text{\(a\), \(b\), \(c\)は各辺の長さ}
\end{align}

 

問題①

まず第1問は、下の図のような三角形の面積を求めてみましょう。

三辺の長さがそれぞれ\(3\), \(4\), \(5\)です。

つまり、

\begin{align}
a = 3 \\
b = 4 \\
c = 5
\end{align}

ということであり、これをヘロンの公式に代入しましょう。

 

すると、

\begin{align}
S & = \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\
& = \sqrt{s(s-3)(s-4)(s-5)}
\end{align}

です。ここで、\(s\)は、

\begin{align}
s & = \frac{a+b+c}{2} \\
& = \frac{3+4+5}{2} \\
& = \frac{12}{2} \\
& = 6
\end{align}

ですので、上式に\(s=6\)を代入して、

\begin{align}
S & = \sqrt{6(6-3)(6-4)(6-5)} \\
& = \sqrt{6 \times 3 \times 2 \times 1} \\
& = \sqrt{36} \\
& = 6
\end{align}

となります。

よって、求めるべき三角形の面積は\(6\)となります。

 

問題②

もう一問解いてみましょう。次の下の図の三角形です。

だいぶ、いびつな形をしている三角形ですが、やることは同じです。

 

三辺の長さがそれぞれ\(2\), \(5\), \(6\)ですので、これをヘロンの公式に代入していきましょう。

\begin{align}
S & = \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)} \\
& = \sqrt{s(s-2)(s-5)(s-6)}
\end{align}

です。ここで、\(s\)は、

\begin{align}
s & = \frac{a+b+c}{2} \\
& = \frac{2+5+6}{2} \\
& = \frac{13}{2}
\end{align}

ですので、上式に\(s=6\)を代入して、

\begin{align}
S & = \sqrt{\frac{13}{2} \left( \frac{13}{2}-2 \right) \left(\frac{13}{2}-5 \right) \left(\frac{13}{2}-6\right)} \\
& = \sqrt{\frac{13}{2} \times \frac{9}{2} \times \frac{3}{2} \times \frac{1}{2}} \\
& = \sqrt{\frac{351}{16}}
\end{align}

となります。

よって、求めるべき三角形の面積は\(\sqrt{\frac{351}{2}}\)となります。

 

ヘロンの公式を証明

三角形の三辺さえ分かっていれば面積が求まるという、非常に面白いヘロンの公式ですが、

「なぜ、ヘロンの公式は成り立つのでしょうか?」

最後に、ヘロンの公式を証明してみましょう。

 

次の三角形を考えます。

三辺の長さがそれぞれ、\(a\), \(b\), \(c\)であり、三つの角度が\(A\), \(B\), \(C\)です。

※いまから、この三角形を使ってヘロンの公式を導いていきますが、これでもかというくらい丁寧に説明します。サラッと式変形だけ示してくれればいいという方は、「3.1. 式変形だけをサラッと」までジャンプしてください。

 

三角形の面積の公式は、

$$\text{三角形の面積} = \frac{1}{2} \times \text{底辺} \times \text{高さ}$$

です。

いま、底辺を\(a\)とすると、高さは下の図の赤線になります。

この赤線の長さはコサインを使って以下のように、表現できます。

$$\text{高さ} = b \sin{C}$$

 

よって、三角形の面積は、

\begin{align}
\text{三角形の面積} & = \frac{1}{2} \times \text{底辺} \times \text{高さ} \\
& = \frac{1}{2} a b \sin{C}
\end{align}

と表せます。

 

ここで、三角関数の公式に以下の式があります。

$$\sin^2{C} + \cos^2{C} = 1$$

これを変形して、

\begin{align}
\sin^2{C} = 1 – \cos^2{C} \\
\sin{C} = \sqrt{1 – \cos^2{C}}
\end{align}

とし、上式で示した三角形の面積の公式に代入すると、

\begin{align}
\text{三角形の面積} & = \frac{1}{2} a b \sin{C} \\
& = \frac{1}{2} a b \sqrt{1 – \cos^2{C}}
\end{align}

です。

 

さらに、余弦定理の公式、

$$\cos{C} = \frac{a^2+b^2-c^2}{2ab}$$

を使って変形すると、

\begin{align}
\frac{1}{2} a b \sqrt{1 – \cos^2{C}} = \frac{1}{2} a b \sqrt{1 – \left( \frac{a^2+b^2-c^2}{2ab} \right)^2}
\end{align}

となります。

 

ここからルートの外に出ている\(ab\)をルートの中に入れて整理すると、

\begin{align}
\frac{1}{2} a b \sqrt{1 – \left( \frac{a^2+b^2-c^2}{2ab} \right)^2} = \frac{1}{4} \sqrt{(2ab)^2 – \left( a^2+b^2-c^2 \right)^2}
\end{align}

となり、この式には\(x^2 – y^2 = (x+y)(x-y)\)という因数分解の公式が使えることがわかるでしょう。

したがって、

\begin{align}
\frac{1}{4} \sqrt{(2ab)^2 – \left( a^2+b^2-c^2 \right)^2} & = \frac{1}{4} \sqrt{\left\{2ab + \left( a^2+b^2-c^2 \right)\right\} \left\{2ab – \left( a^2+b^2-c^2 \right)\right\}} \\
& = \frac{1}{4} \sqrt{\left(2ab+a^2+b^2-c^2\right) \left(2ab – a^2-b^2+c^2\right)} \\
& = \frac{1}{4} \sqrt{\left\{(a^2+2ab+b^2)-c^2\right\} \left\{c^2 – (a^2 – 2ab +b^2)\right\}} \\
& = \frac{1}{4} \sqrt{\left\{(a+b)^2-c^2\right\} \left\{c^2 – (a-b)^2\right\}}
\end{align}

となります。

上式の最後の変形は、

\begin{align}
x^2 + 2xy + y^2 = (x+y)^2 \\
x^2 – 2xy + y^2 = (x-y)^2
\end{align}

の公式を使いました。

 

再び、\(x^2 – y^2 = (x+y)(x-y)\)の公式を使って、変形を進めると、

\begin{align}
\frac{1}{4} \sqrt{\left\{(a+b)^2-c^2\right\} \left\{c^2 – (a-b)^2\right\}} & = \frac{1}{4} \sqrt{\left\{(a+b-c)(a+b+c)\right\} \left\{(c-a+b)(c+a-b)\right\}} \\
& = \frac{1}{4} \sqrt{(a+b-c)(a+b+c)(c-a+b)(c+a-b)} \\
& = \sqrt{\frac{(a+b-c)}{2}\frac{(a+b+c)}{2}\frac{(c-a+b)}{2}\frac{(c+a-b)}{2}} \\
& = \sqrt{\frac{(a+b+c-2c)}{2}\frac{(a+b+c)}{2}\frac{(c+a+b-2a)}{2}\frac{(c+a+b-2b)}{2}} \\
& = \sqrt{\left\{\frac{(a+b+c)}{2}-c\right\} \frac{(a+b+c)}{2} \left\{\frac{(c+a+b)}{2}-a\right\} \left\{\frac{(c+a+b)}{2}-b\right\}}
\end{align}

 

最後に、

$$s = \frac{a+b+c}{2}$$

とおいて式をスッキリさせると、

\begin{align}
\text{三角形の面積} &= \sqrt{\left\{\frac{(a+b+c)}{2}-c\right\} \frac{(a+b+c)}{2} \left\{\frac{(c+a+b)}{2}-a\right\} \left\{\frac{(c+a+b)}{2}-b\right\}} \\
&= \sqrt{(s-c) s (s-a) (s-b)} \\
&= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}
\end{align}

となり、ついにヘロンの公式を導くことができました。

 

式変形だけをサラッと

上記で行った式変形を簡単にまとめます。

上の三角形について、ヘロンの公式は以下のように導けます。

\begin{align}
\frac{1}{2} a b \sin{C} & = \frac{1}{2} a b \sqrt{1 – \cos^2{C}} \\
& = \frac{1}{2} a b \sqrt{1 – \left( \frac{a^2+b^2-c^2}{2ab} \right)^2} \\
& = \frac{1}{4} \sqrt{(2ab)^2 – \left( a^2+b^2-c^2 \right)^2} \\
& = \frac{1}{4} \sqrt{\left\{(a^2+2ab+b^2)-c^2\right\} \left\{c^2 – (a^2 – 2ab +b^2)\right\}} \\
& = \frac{1}{4} \sqrt{\left\{(a+b)^2-c^2\right\} \left\{c^2 – (a-b)^2\right\}} \\
& = \frac{1}{4} \sqrt{(a+b-c)(a+b+c)(c-a+b)(c+a-b)} \\
&= \sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}
\end{align}

最後の式変形は\(s=\frac{a+b+c}{2}\)を使用しました。

 

これでヘロンの公式の証明は終わりです。

 

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まとめ

  • ヘロンの公式は三角形の面積を求める公式
  • 三角形のすべての辺の長さがわかっているときに使うと便利
  • 使い方は、公式に辺の長さを代入して計算するだけ
  • 三角関数の公式や因数分解を使って式変形していくことで証明できる

※コメントの反映には少し時間がかかります

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