ケーキ切り分け問題 – どのように切っても平等になる?

ピザやケーキなど円形のものを平等に分割する面白い方法を紹介します。
円の分割問題は、日常でもよく登場しますが、数学の一つの研究分野になるほど注目の問題なのです。
ここでは、円形のケーキを二人で平等に分けるための方法で、面白い方法がありますので一緒に見ていきましょう。
二人で分けるときのケーキ切り分け問題
子供のとき、家族でケーキやピザなど円形のものを分けるとき、「自分の方が小さい!」などと言って喧嘩になってませんでしたか?
二人で分ける場合は半分に切るだけでよいので特に喧嘩になることはないでしょうが、数学的に面白い分け方がありますので紹介したいと思います
ケーキがきれいな円であるとして、二人で分けるには二等分すればよいですね。通常は、下の図のように切れば十分です。
円の中心を通り、一本の直線でケーキを二つに分割しています。
当然ですが、赤いパーツと青いパーツの面積は同じです。平等に分割できましたね。
では、この切り方以外にも二人で平等にケーキを切り分ける方法があるでしょうか?
上の図で見た切り方だと、一回だけ切ればよいですが食べるときに不便ですよね。一つのピースが大きすぎます。
もう少し食べやすくするには、三回ほど切って下の図のように偶数個のピースを作ってやればよいでしょう。
赤いピースと青いピースを二人がそれぞれ三つずつ食べれば平等です。通常はこれで十分です。
ここで、ケーキを二人が平等に食べることができる切り方の条件を考えてみましょう。
上の図の切り方は、切り口は円の中心を通っています。また、各ピースの中心の角度はピースの数で等分されています。
例えば、上の図は6ピースに分割しているので、各ピースの中心の角度は360度を6で等分した、
$$360 \div 6 = 60$$
60度です。
この二つの条件、
- 切り口が中心で交わっている
- 各ピースの中心の角度は360度をピースの数で等分したものとなる
を満たせば、二人平等にピザを分けることができそうですが、本当にこの二つの条件を必ず満たす必要があるのでしょうか?
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この分割方法でも二人平等になる?
上で紹介した切り方では普通すぎますので、他の方法も考えてみましょう。
もう一度二つの条件を確認すると、
- 切り口が中心で交わっている
- 各ピースの中心の角度は360度をピースの数で等分したものとなる
でした。この二つの条件が必ず成り立ってないと、二人で平等に分けることができないのでしょうか?
実は、一つ目の”切り口が中心で交わっている”という条件は要らない場合があるのです。
下の図は切り口は四本ですべて交わっていますが、中心ではなく円の左上にズレた位置で交わっています。
このように切った時、偶数番号のパーツと奇数番号のパーツの合計の面積は等しいのです。なので、このように切っても二人で等しくケーキを食べることができますね。
したがって、二人が平等に分けて食べるための条件である”切り口が中心で交わっている”というのは、”切り口が交わっている”と変更することができます。
必ずしも”中心で”という条件が要らないということですね。上の図で見たように中心で交わっている必要はないのです。
しかし、この分割方法が使えるための条件があります。
それは、分割したパーツの数が8以上の4の倍数になることです。つまり、
8, 12, 16, 20, …
という数に分割するときに限り二人が平等に食べることができるのです。
上の例では、8個のパーツに分割した場合でした。
ケーキやピザのような円を分割する問題はわたしのように普通の人にも身近なことですが、数学者が真剣にその方法について考えるほど奥が深い問題でもあります。
ここで紹介した円の分割方法以外にも、様々な方法が数学者によって考えられているのです。
まとめ
- ピザやケーキなどを分割する方法には通常の方法とは違った面白い方法が存在する
- 円の分割問題は数学の一研究分野になり得るほど、奥が深い問題である
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