図形のまわりの長さが同じ場合、一番面積が大きい図形は?

図形には様々な形がありますが、周りの長さが同じ場合に一番面積が大きくなる図形はなんだと思いますか?
正方形?、正三角形?、円?、それとももっと別の図形でしょうか?
探していきましょう!
まわりの長さが同じの場合、一番面積が大きくなる図形は何?
四角形や、三角形、円や楕円など図形には様々な形があります。これ以外にも名前が付けられない複雑な形まで含めると、無限の種類の図形が存在しますね。
ここで一つの疑問が生じました。
図形のまわりの長さが同じ場合、一番面積が大きくなる図形は何か?
ということです。
別の言い方をすると、
ある一本のロープを渡され、「ロープで囲った面積が自分の領地だ」と言われたとします。どの囲い方が一番領地を広く取れるでしょうか?
ということを考えていきます。
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正方形と長方形を比べる
例えば、一番計算しやすい正方形を考えてみましょう。
上の図でも示しているように、この図形の面積は、
$$a \times a = a^2$$
です。
一方、周りの長さは、一辺の長さがaなので、
$$a+a+a+a = 4a$$
となります。
ここで”図形のまわりの長さは16cmでなければならない”という条件を付け加えます。
すると、上の正方形は、
\begin{align}
4a & = 16 \\
a & = 4
\end{align}
となり、一辺が4cmということになり、面積は16cm2です。
では、次に長方形を考えてみましょう。一辺が6cmの長方形を考えると、周りの長さは16cmなので、もう片方の辺は2cmということになります。
面積は、
$$\text{面積} = 6 \times 2 = 12$$
で12cm2です。
正方形の面積は16cm2だったので、まわりの長さが同じ場合、長方形よりも正方形の方が面積が大きいということが分かりました。
(まわりの長さが等しいとき) 正方形の面積 > 長方形の面積
色々な図形について考えてみよう
では、三角形はどうでしょうか?
まわりの長さが16cmの正三角形は、一辺が16cmの3分の1ですので、
$$16 \div 3 = \frac{16}{3}$$
ですね。
底辺は\(\frac{16}{3}\)となり、高さは\(\frac{8\sqrt{3}}{3}\)となります。※計算は割愛します
なので正三角形の面積は、下の図のようになります。
$$\text{面積} = \frac{1}{2} \times \frac{16}{3} \times \frac{8\sqrt{3}}{3} = \frac{64\sqrt{3}}{9} \sim 12.32$$
面積は、約12.32cm2です。あまりよくないですね。正方形の方が面積が大きいです。
では、二等辺三角形はどうでしょうか?
底辺が6cmの二等辺三角形の面積を考えてみましょう。底辺が6cmということは、残り2辺は5cmということになります。
面積は12cm2です。もっと小さくなってしまいましたね。
ここまでで一番面積が大きな図形ははじめに登場した1辺が4cmの正方形です。面積は16cm2でした。
正方形より面積が大きな図形はないのでしょうか?
諦めずに、もう少し複雑な図形についても考えてみましょう。
扇形はどうでしょうか?下の図のような半径が4cmの扇型を考えてみましょう。
図にすでに書いていますが、半径を4cmと決めると、扇形の円弧の長さが自動的に8cmと決まります。これは、図形のまわりの長さが16cmにならなければいけないためです。
すると、中心角の角度も114.6度(=360度/\(\pi\))となります。これは、以下の計算式をx(=中心角の角度)について解くことで分かります。
$$2 \pi r \times \frac{x}{360} + 2 r = 16$$
左辺の第1項は円弧の長さ、第2項は半径rの二倍です。これらを足したものがまわりの長さ16cmになる必要があるので、この式が成り立ちます。
この式を解くと、中心角の角度\(x\)は、
$$x = \frac{360}{\pi} = 114.6$$
となります。
また、扇形の面積は、
$$\pi r^2 \times \frac{x}{360}$$
で表せるので、半径(\(r\)=4)と中心角(\(x\)=114.6)を代入すれば、面積は16cm2となります。
これは正方形の時と同じになりましたね。
もっと広げた扇形と狭い扇形もチェックしてみましょう。計算は省略しますが、このようになります。
どうやら、扇形の場合は半径が4cm2の場合は一番面積が大きくなり、その形から広げても狭くしても面積は小さくなっていくようですね。
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正解の図形は…
そろそろ正解を発表しましょう。
図形のまわりの長さが同じ場合、もっとも面積が大きくなるのは”円”
です。
では円の面積を考えていきましょう。半径が\(r\)の円を作ります。
いまは、円周の長さは16cmでないといけないので、円の長さを求める公式を使って、
$$2 \pi r = 16$$
を満たすような半径に設定する必要があります。
この式を解くと、
$$r = \frac{16}{2 \pi} = \frac{8}{\pi} \sim 2.55$$
です。つまり、円周の長さが16cmの円は、
となります。
半径がわかれば、すぐに面積もわかります。円の面積の公式を考えて、
$$\text{面積} = \pi r^2 = \pi \times \left( \frac{8}{\pi} \right)^2 = 20.4$$
となります。面積は20.4cm2です。
これまでの最高記録である正方形の面積(16mc2)を大きく超えました。
図形のまわりの長さが同じ場合、もっとも面積が大きくなるのは”円”
なのです!
まとめ
- 周りの長さが同じ図形で、一番面積が大きいのは”円”
- 正方形もそこそこ大きい
- 扇形や長方形、三角形などは小さい
ディスカッション
コメント一覧
立体の表面積が一定の時は球の体積が最大ですか?
多分そう
何故円が一番大きいのですか?
周長が同じなのに面積がこんなにも違うと言うのが計算しても
理解出来ていない俺の脳ミソ・・・
勉強になりました!!
オジサンは、この事実を知って愕然とした..
最後、「これまでの〜」の文、cm^2であるべきところがmc^2になってませんか?