数字の規則性を見つけて記憶する方法

2020年5月19日

この記事ではこんなことを紹介しています

数字の並びの規則性を利用して記憶する方法を紹介していきます。

ただの数字の羅列に見えても、よく見ると結構規則性が隠れている場合があります。この数字の規則性をうまく利用して記憶を補助する力を養いましょう。

数字の形を利用して記憶する方法」や「語呂合わせを利用して数字の羅列を記憶する方法」で紹介した記憶術に比べて、この記憶術の特徴は記憶に必要な時間が非常に短いという長所があります。

数字を瞬間的に覚えて、後で忘れてもよいというときに便利な記憶方法です。

規則性は記憶するための大きな手掛かり

数字の規則性とは、ある決まりを持って数字が羅列されている状態のことです。

 

一番簡単な規則性は、同じ数が連続した数ではないでしょうか。

例えば、「333」という数字は同じ数が三つ隣同士で並んでいる、という規則性を持っています。

 

その他にも、1ずつ増えながら並んでいる数字「12345」や左の数の倍の数が並んでいる数字「1248」なども規則性を持った数字の羅列です。

 

このように明確にある規則性をもった数字は記憶することが簡単です。

例えば、以下の八桁の数を見てみましょう。

98765432

一番左の「9」から1ずつ減っていく数字の羅列になります。

通常八桁の数字を記憶するのは簡単なことではありません(※少なくとも数字の記憶に慣れていない人は)。

しかし、これなら容易に記憶できてしまうでしょう。

 

それはなぜでしょうか?

その理由は、

重要ポイント

規則性を持った数字はすべてを覚えなくとも、ある一つか二つの数字を覚えいるだけで、規則性から他の数字が分かる

からです。

 

「98765432」の例で説明すると、あなたは実はこの八桁の数すべてを覚えていません。

覚えたのは初めの「9」という数字だけでしょう。

しかし、同時に「この数字が1ずつ減っていく」という規則性を記憶しています。

このため、「9」という数字が分かれば、その後の「876…」を記憶したかのように分かってしまうのです。

 

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様々な規則性を見つけよう

さて、前節では非常に単純な数字の規則性を見てきました。

しかし、普段記憶する数字がこんなに規則的なことは滅多にないでしょう。

誰の電話番号を聞いても、どこの郵便番号を調べても、無秩序な数字の羅列に見えることばかりです。

 

しかし、よくよく意識してみると、規則性はたくさん存在しています。

その規則性をうまく作り出せるかがこの記憶術の肝です。

 

中学校で数列というものを習ったと思いますが、ここ使う能力はそれに似ています。というかそのままです。

数列が得意な人、好きな人には使っていて楽しく強力な記憶術となるでしょう。

以下では、数字の規則性の例を紹介します。

 

二つの数字を足してみる

二つの隣り合った数字を足すと何かが見えてくるかもしれません。

 

以下の数字の羅列は初めの二つの数字を足すことで、その後に続く数字が自動的に分かるような例です。

527, 639, 9110, 6814

初めの二つの数字の羅列(527、639)は初めの二つの数字を足すと三番目の数になります。

後半の二つの例(9110、6814)では、足した数が二桁になりますが、それが三・四番目の数となっています。

 

もちろん足し算以外の四則演算も使ってよいでしょう。

例えば、

918, 5420, 8199

は左から、引き算、掛け算、割り算を使えば規則性が見えてきます。

 

奇数と偶数に注目する

奇数と偶数に注目するのも効果的です。

 

例えば、以下のような八桁の数字の羅列があったしましょう。

31956482

これを前半の四桁、後半の四桁に分割する(これをチャンク化というが、「チャンク化による記憶効率の向上」を参照)と、

3195-6482

となりますが、前半はすべて奇数、後半はすべて偶数で構成されていることが分かります。

これだけでも記憶の大きなヒントになります。

 

左右対称の並びを見つける

数字の羅列で数字の並びが左右対称であれば、記憶する数が半分に減ることになります。

 

例えば、

210454012

という数は、真ん中の「5」という数を挟んで、前半が「2104」、後半が「4012」となっています。これは、左右対称の並びです。

つまり、前から読んでも、後ろから読んでも同じ数字となっています。これによって覚える数が半分になるので記憶が簡単になります。

 

他にも規則性は様々なものが存在するでしょう。

自分で規則性を見つけるのも面白いかもしれません。

 

次節では、実際にこの規則性を使った記憶術を使った数字の記憶の実践例を紹介します。

 

規則性を使った記憶術の実践例

最後に規則性を使った記憶術の実践例として、以下の数字を記憶してみましょう。

28510753

一見なんの規則性もないような数字の羅列ですが、こんな数でも無理やり規則性を発見すればよいのです。

 

私がこの数字を規則性を利用して記憶するなら以下のように考えます。

まず、チャンク化を行い、八桁の数を五桁と三桁に分けます。※チャンク化は数字をいくつかの塊に分割して記憶しやすくするための技術です。詳しくは「チャンク化による記憶効率の向上」をご覧ください。

28510-975

初めの二桁「28」は「2」と「8」を足すと10です。次に三桁目の「5」は10の半分です。

そして、四桁目から二桁はそのまま「10」となっています。

このように、前半の「28510」は10という数に関連付けて記憶します。

 

後半の「975」は簡単です。

前半は「10」に関連付いた数字だったので、後半はその「10」から1を引いた「9」から始まり、奇数が順序よく並んでいます(975)。

 

どうでしょうか?多少無理やりな感じもありますが、自分の中で納得できるならば、問題ないのです。最後に練習問題として、あなたが作り出した規則性を使って以下の数字を記憶してみましょう。

9856581

 

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規則性を使った数字の記憶術の長所と短所

規則性を利用した数字の記憶は他の記憶術に比べて、記憶に要する時間が比較的短いのが特徴でしょう。

数字の形を利用して記憶する方法」や「語呂合わせを利用して数字の羅列を記憶する方法」ではストーリーを作ったり、文を考えたりする必要があるのに対して、規則性を見つけるのはそんなに時間がかからないからです。これは大きな長所と言えるでしょう。

 

しかし、短所もあります。

これは他の記憶術にも言えることですが、規則性をどうしても見つけれない場合、使用することができないことがあります。

その場合は、他の記憶術の使用に切り替えるか他の記憶術と併用して使用する必要があります。

 

また、規則性を使った記憶術で覚えた数字は、他の記憶術に比べて忘れやすいという特徴があります。

記憶に要する時間が短いこともあり、脳に十分なインパクトを与えることができないのです。

 

「数字の形を利用して記憶する方法」や「語呂合わせを利用して数字の羅列を記憶する方法」では、記憶して数時間後、長い場合では次の日になってからも記憶した数字を思い出すことができるのですが、規則性を使った記憶術は早いと数十分で忘れてしまう場合もあります。

したがって、短期的にササッと記憶したい場合に向いている記憶術と言えます。

 

このように覚えておきたい期間や記憶に要する時間などを考慮して、記憶術を使い分けることが重要でしょう。

 

まとめ

  • 数字の左右対称性や四則演算、連続性、偶数奇数などの規則性を利用した記憶術を学んだ
  • 規則性を使った数字の記憶術は記憶のために要する時間が短いという長所がある
  • ただし、記憶しておける期間が短いという短所を持つ
  • 記憶しておきたい期間や記憶に必要な時間などから適切に記憶術を選択することが大事

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