チャンク化による記憶効率の向上

チャンク化(長い数字の羅列をいくつかの塊に分けて、記憶しやすくする)を使った数字の記憶術を紹介します。これによって、より長く情報量の多い数字でも記憶することが簡単になります。
チャンク化はこれ単体では機能しません。他の記憶術と組み合わせて使用することで、その効果を発揮します。
まずは、よくチャンク化と併用して使用される「語呂合わせを利用して数字の羅列を記憶する方法」や「数字の形を利用して記憶する方法」を学び、それからこの記事を読んでください。
チャンク化とは
チャンク化による数字の記憶術は、長い数字の羅列をいくつかの塊に分割して、グループ毎にまとめて記憶する方法です。
例えば、以下のような電話番号があったとします。
08098842667
携帯電話の番号であれば11桁ですが、これを次のように分割して表記しているケースも見たことがあるでしょう。
080-9884-2667
上記の二種類の表示方法で記憶が簡単な印象を与えるのはどちらですか?
後者のチャンク化した後の数字の方が覚えやすそうではありませんか?
これが数字のチャンク化です。
チャンク化の分割方法に決まりはありません。電話番号であれば、上で示したように3つ,4つ,4つに分割するのが一般的ですが、記憶するためには数字二つを組にして分けるチャンク化パターンがよく使われます。
080-98-84-26-67
次節からは実際にチャンク化を使って数字を記憶する例を紹介します。
はじめは「語呂合わせを利用して数字の羅列を記憶する方法」と併用した場合、次に「数字の形を利用して記憶する方法」と併用する場合について見ていきましょう。
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数字の語呂合わせを利用した記憶術とチャンク化の併用
数字の語呂合わせを利用した記憶術とは、「語呂合わせ」を使って数字の羅列を文にすることで言葉として数字を記憶してしまう方法でした。詳しくは、「語呂合わせを利用して数字の羅列を記憶する方法」で紹介しています。
例えば、
246948
などの数字を覚えるときは、それぞれの数字の発音の頭文字を使って、
246948 → 西向く(2469)屍(48)
などです。この方法は簡単で、それでいて強力です。思いついたら早いですし、作成した言葉を覚えておけば忘れることはありません。
しかし、このように上手い語呂合わせがすぐに思い浮かぶときはよいですが、中にはなかなかいい語呂合わせが思い浮かばない場合もあるでしょう。
記憶すべき数字が長くなってくると、語呂合わせを考えるのもだんだんと難しくなってきます。
例えば、この記事の初めに出てきた携帯電話の数字(080は省略)、
98842667
を「数字の語呂合わせを利用した記憶術」だけで記憶するのは、なかなか難しいものです。
そこで、「チャンク化」の出番です。この数字を二桁ずつの塊に分割します。
98-84-26-67
そして、二桁の数ごとに言葉を作り、文章を作りましょう。私の場合は次のように作ってみました。
区役所(98)のヤシの木(84)が風呂(26)の薪となってムナシイ(67)
あまりうまい作文ではないですが、自分で覚えることができればそれでいいのです。
ここで大事なのは作った文章を頭の中でリアルにイメージ化することです。
ここで作った文章を例とするならば、「自分の知っている区役所の建物のそばに生えているヤシの木が、切り倒され風呂の薪として使われているのをムナシイ表情で眺めている少年」などをイメージしてください。
映像は記憶として強く印象に残ります。どれだけ、インパクトのあるストーリーをイメージできるかが、記憶後に思い出せるかに影響してきます。
強いインパクトを残すことができれば、明日になっても記憶した数字を思い出すことができるほど強力な記憶になっていることもあります。
数字の形を利用した記憶術とチャンク化の併用
チャンク法とよく併用される記憶術の一つに「数字の形を利用した記憶術」があります。
これは、数字の形から何か実態のあるものを想像し、それらが登場するストーリーを作り上げてイメージすることで、数字を記憶するものでした。
「数字の形を利用して記憶する方法」で詳しく説明していますが、少しだけおさらいしましょう。
例えば以下のような数字があったとします。
6084
これらの数字の一つ一つを数字の形からイメージできるものに置き換えます。これは自由に想像してよいのですが、私の場合は以下のように想像しました。
- 6 → ゴルフクラブ
- 0 → ボール
- 8 → 雪だるま
- 4 → 死
そして、これらのイメージが登場するストーリーを考えます。想像したものは並び通り順番に登場させていきます。
以下のようなストーリーを作ってみました。
ゴルフクラブ(6)でボール(0)を打ったら、雪だるま(8)に当たって、雪だるまが死んだ(4)
このストーリーを頭の中で思い描いて、脳に強く印象を残すようにしましょう。これによって忘れにくい記憶が構築されることになります。
では、次の数字の羅列はどうでしょう。
10937823
八桁の数字の羅列です。
少し情報が多いですね。この一つ一つの数字を分割して、形からイメージできるものを想像し、すべてを使ってストーリーを構築するのはなかなか難しそうです。
そこで、この「数字の形を利用した記憶術」とチャンク化を併用するのですが、前節の「数字の語呂合わせを利用した記憶術とチャンク化の併用」では、これを二桁ずつの数字に分割して考えました(10-93-78-23)。
これに対して、数字の形を利用した記憶術では、四桁の数字に分割します。すると、
1093-7823
となります。四桁の数字が二グループ出来上がりました。この二グループについて、それぞれ分けてストーリーを考えていきます。
はじめの「1093」については、
棒(1)でボール(0)を打ったら、象(9)のお尻(3)に当たった
としてみました。次に後半の「7823」ですが、
崖(7)にいる蜂(8)がアヒル(2)の口(3)へ入っていった
としました。
なぜその数字がそのイメージなんだ?って方は、「数字の形を利用して記憶する方法」をご覧ください。
これで、二つの全く別のストーリーが出来ました。このストーリーのイメージをそれぞれ覚えておくことで、八桁の数字が記憶できるというわけです。
上の例では二つのストーリーにつながりはないですが、つながりを持ったストーリーを考えれるとさらによいですね。
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まとめ
- チャンク化を使えば、今までよりも長い数字の記憶ができるようになる
- チャンク化は他の記憶術と併用して使用することで、記憶術の効率を上げる
- 併用する記憶術によって分割する数字の桁を変える必要がある
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