円の面積がπr^2になる納得の理由 – 図形を使った証明

2018年9月8日

この記事ではこんなことを紹介しています

「円の面積の公式である\(S=\pi r^2\)が、なぜそのような形で書けるか」

ここではその理由を、図形を使って視覚的に納得できる説明を紹介します。

証明には小学校の算数の知識までしか使わないので、小学生に理由を聞かれたときにも使えます。

私ははじめてこの説明を聞いたとき、感動しました。

円の面積が\(\pi r^2\)になる理由を説明できますか?

ここでの主役は、円の面積\(S\)の公式、

\begin{align}
S = \pi r ^2, \qquad r=\text{円の半径}
\end{align}

です。

もはやいつ習ったかも忘れたぐらい、超基本的な公式の一つですよね。(小学校高学年くらいで習うんでしたっけ?)

 

しかし、なぜ、

円の面積は円周率\(\pi\)に半径\(r\)を2回掛けたもの(\(\pi r^2\))

になるかを小学生に説明するには、どうすればよいでしょうか?

 

実は、すごく面白くて、納得のいく説明があるんです。

ここでは、それを紹介します。

 

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図形を使って円の面積の公式を証明する

ここでは、図形を使って円の面積の公式を証明していきます。

まずは、下の図のような普通の円を用意しましょう。

半径は\(r\)です。

 

輪を作って棒にする

下の図のように、この円からたくさんの輪を作るように切っていきます。

玉ねぎみたいですね。

 

次に、切った輪を引き延ばして棒にしましょう。

 

これをすべての輪について行い、順番に並べていきましょう。

ただし、一番内側の中心は、すごく小さいのでここだけはそのままでよいでしょう。

 

では、具体的に引き延ばした1本の棒について、長さを考えましょう。

例えば、内側から数えて5番目の輪について考えましょう。

この輪の中心からの距離は\(r_0\)であるとします。

このとき、輪を棒にしたときの長さはどうでしょうか?

これは、円の円周の長さを考えれば分かりますね。

円周の長さは、

$$\text{半径\(r_0\)の円周の長さ} = 2 \pi r_0$$

です。

ですので、内側から数えて5番目の輪の長さは\(2 \pi r_0\)となります。

 

では、10番目の輪の長さはどうでしょうか?

この輪の中心からの距離は5番目の輪の2倍であることはすぐに分かるでしょう。

よって、長さも2倍になります。

 

このように、短い方から棒を並べていったとき、直線的(線形)に長さが伸びていくことがわかります。

 

三角形の面積を求めれば…

ここまできたら後は、下の図の三角形の面積を求めれば、円の面積が求まることがわかります。

三角形は円から作られたものなので、当然面積は変化していないからです。

 

では、三角形の面積を求めるため、高さと底辺の長さを考えます。

 

下の図から分かるように、底辺は円の半径と等しくなるはずですね。

 

では、高さはどうでしょう。

これは、円の円周と同じ長さになることがわかります。

 

これで三角形の面積を求めるための準備ができました。

底辺の長さが\(r\)、高さが\(2 \pi r\)ですので、

$$\text{三角形の面積} = \frac{r \times 2 \pi r}{2} = \pi r^2$$

です。

よって、この三角形の面積は、元の円の面積と同じですので、

$$\text{円の面積} = \pi r^2$$

となります。

 

どうでしょうか?!見事に円の面積の公式が導かれました!

 

まとめ

  • 円の面積の公式\(S=\pi r^2\)は図形を使って視覚的に説明できる
  • ステップ①:円を輪の形にいくつも分割して、棒状に引き伸ばす
  • ステップ②:棒を短い方から順に並べていき、三角形を作る
  • ステップ③:三角形の面積は円の面積と等しいため、三角形の面積を求めればよい

※コメントの反映には少し時間がかかります

2018年9月8日数学の面白いネタ

Posted by yoshi