円の面積がπr^2になる納得の理由 – 図形を使った証明

「円の面積の公式である\(S=\pi r^2\)が、なぜそのような形で書けるか」
ここではその理由を、図形を使って視覚的に納得できる説明を紹介します。
証明には小学校の算数の知識までしか使わないので、小学生に理由を聞かれたときにも使えます。
私ははじめてこの説明を聞いたとき、感動しました。
円の面積が\(\pi r^2\)になる理由を説明できますか?
ここでの主役は、円の面積\(S\)の公式、
\begin{align}
S = \pi r ^2, \qquad r=\text{円の半径}
\end{align}
です。
もはやいつ習ったかも忘れたぐらい、超基本的な公式の一つですよね。(小学校高学年くらいで習うんでしたっけ?)
しかし、なぜ、
円の面積は円周率\(\pi\)に半径\(r\)を2回掛けたもの(\(\pi r^2\))
になるかを小学生に説明するには、どうすればよいでしょうか?
実は、すごく面白くて、納得のいく説明があるんです。
ここでは、それを紹介します。
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図形を使って円の面積の公式を証明する
ここでは、図形を使って円の面積の公式を証明していきます。
まずは、下の図のような普通の円を用意しましょう。
半径は\(r\)です。
輪を作って棒にする
下の図のように、この円からたくさんの輪を作るように切っていきます。
玉ねぎみたいですね。
次に、切った輪を引き延ばして棒にしましょう。
これをすべての輪について行い、順番に並べていきましょう。
ただし、一番内側の中心は、すごく小さいのでここだけはそのままでよいでしょう。
では、具体的に引き延ばした1本の棒について、長さを考えましょう。
例えば、内側から数えて5番目の輪について考えましょう。
この輪の中心からの距離は\(r_0\)であるとします。
このとき、輪を棒にしたときの長さはどうでしょうか?
これは、円の円周の長さを考えれば分かりますね。
円周の長さは、
$$\text{半径\(r_0\)の円周の長さ} = 2 \pi r_0$$
です。
ですので、内側から数えて5番目の輪の長さは\(2 \pi r_0\)となります。
では、10番目の輪の長さはどうでしょうか?
この輪の中心からの距離は5番目の輪の2倍であることはすぐに分かるでしょう。
よって、長さも2倍になります。
このように、短い方から棒を並べていったとき、直線的(線形)に長さが伸びていくことがわかります。
三角形の面積を求めれば…
ここまできたら後は、下の図の三角形の面積を求めれば、円の面積が求まることがわかります。
三角形は円から作られたものなので、当然面積は変化していないからです。
では、三角形の面積を求めるため、高さと底辺の長さを考えます。
下の図から分かるように、底辺は円の半径と等しくなるはずですね。
では、高さはどうでしょう。
これは、円の円周と同じ長さになることがわかります。
これで三角形の面積を求めるための準備ができました。
底辺の長さが\(r\)、高さが\(2 \pi r\)ですので、
$$\text{三角形の面積} = \frac{r \times 2 \pi r}{2} = \pi r^2$$
です。
よって、この三角形の面積は、元の円の面積と同じですので、
$$\text{円の面積} = \pi r^2$$
となります。
どうでしょうか?!見事に円の面積の公式が導かれました!
まとめ
- 円の面積の公式\(S=\pi r^2\)は図形を使って視覚的に説明できる
- ステップ①:円を輪の形にいくつも分割して、棒状に引き伸ばす
- ステップ②:棒を短い方から順に並べていき、三角形を作る
- ステップ③:三角形の面積は円の面積と等しいため、三角形の面積を求めればよい
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長方形にした時の外側と内側の円周の長さが違うので、直線にした時の面積の変化が気になって夜しか眠れない。