フラクタル構造を持った野菜”ロマネスコ” – その奇妙な形が面白い

”ロマネスコ”という野菜を知っていますか?
見かけは実に奇妙な形をしているのですが、この野菜には美しい数学が隠れています。
それは、フラクタル構造と呼ばれるものですが、一体どんな構造なのでしょうか。
ここでは、フラクタル構造を持つ自然界の代表例であるロマネスコをはじめとして、様々なフラクタル構造を紹介していきます。
奇妙な野菜”ロマネスコ”
ロマネスコという実に奇妙な野菜があります。それは、下のような形をしています。
なんとも不思議な形をしていますね。
ロマネスコはブロッコリーの仲間です。日本ではあまり食べられていませんが、1990年頃から海外、特にフランスで食べられるようになった、比較的新しい野菜です。
味はブロッコリー、食感はカリフラワーに似ていると言われています。
日本でも福岡県や宮城県を中心に栽培されているようですが、わたし(福岡在住、2018年)はスーパーで見かけたことはないですね。
見た目が印象的なロマネスコですが、この見た目が数学的にも面白いのです。
それは、この形状が”フラクタル構造”をしているからです。
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フラクタル構造とは
フラクタル構造とは、
ある一部分を切り取っても自分と相似(大きさが違うが形は同じ)になっている構造
のことです。
実際に例を見てみましょう。下の画像の図形はフラクタル構造をしています。
一番左の三角形が元となる図形です。なにやら、三角形の中にたくさんの三角形が描いてありますね。
この図形の赤い△で囲ったところを、一つ右側にアップしています。赤い枠の図形も元の図形と同じ形です。
さらに、青い枠で囲った三角形をアップしても同じ図形、さらにさらに緑の図形も同じ形です。
このように、図形の一部を切り取っても永遠に自分自身と同じ形が現れ続ける構造をフラクタル構造といいます。
別のフラクタル構造を紹介しましょう。下の画像がそうです。
一部分だけ切り取っても元の形と同じ形が永遠と出てきますよね。
自然の中のフラクタル構造、それがロマネスコ
フラクタル構造は、上の画像で見たようにどれもかなり複雑な構造をしています。
こんな複雑な構造を持つものが自然界にあるとは思えませんが、野菜のロマネスコこそがまさに自然界のフラクタル構造なのです。
下の画像はロマネスコがフラクタル構造だということをわかりやすくするためのイメージです。
どうでしょうか?ロマネスコがフラクタル構造をしているということがイメージできましたか?
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自然界にあるそのほかのフラクタル構造
ロマネスコ以外にも自然界にはフラクタル構造を持ったものがあるのでしょうか。
それは、以外にも多いのです。ここでは、自然界の様々なフラクタル構造を紹介します。
雷
雷もフラクタル構造を持つものの一つです。
雷をよく見ると、太い一本の光からいくつにも枝分かれしています。
ある一本の枝分かれした光をたどっていくと、また枝分かれします。
このように、同じような形が続いていく雷はフラクタル構造であると言えます。
ブロッコリー
ロマネスコの仲間のブロッコリーも実はフラクタル構造をしています。
上のブロッコリー画像をよく見てみると、一番太い茎からいくつかの茎に分かれます。
さらに、小さな茎へ別れて…と続きますね。
ブロッコリーは身近にある食べ物です。よく食卓に出てくる人もいるのではないでしょうか。
今度ブロッコリーを食べるときは、大きな茎から小さな茎へ順番にちぎって眺めてみましょう。上の画像で赤→青→黄の枠の順番でちぎるのです。
フラクタル構造を堪能できるでしょう。
海岸線
海岸線が一番分かりやすい例かもしれません。
海岸線をどこまで細かく見ていっても、同じように複雑に曲がりくねった線をしていますよね。
ここまで見てきたように、数学の世界だけでなく、自然界にもたくさんのフラクタル構造を持ったものが存在します。
数学も自然界も”美しい”という共通点を持っています。美しい世界にはフラクタル構造が欠かせないのかもしれませんね。
まとめ
- フラクタル構造とは、元となる図形のある部分を切り取っても同じ図形が現れ、これが永遠に続いていくような形のこと
- 自然界でフラクタル構造を持つものの代表はロマネスコという野菜
- その他にも自然界にはフラクタル構造を持ったものが多く存在している
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