6÷2(1+2) – 電卓さえ間違う不思議な計算

2020年1月14日

この記事ではこんなことを紹介しています

ここでは、電卓さえ間違ってしまう不思議な計算を紹介します。

「電卓さえ間違うって、どんな複雑な計算なんだ?」

と思うでしょう。

しかし、その計算は中学生の1年生で習うほど簡単なものです。

なのに、どうして…

電卓が間違う計算ってどんな計算?

電卓さえ間違ってしまう計算、それは、

$$6 \div 2(1+2)$$

です。

 

簡単ですね。

「こんなの余裕で解けるし!」

と思ったことでしょう。

では、まずはこの問題を電卓を使わずに解いてみてください。

 

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解き方と答え合わせ

どんな解き方をして、答えは何になりましたか?

以下のような解き方をした人もいるのではないでしょうか?

 

解き方(その①)

$$6 \div 2(1+2)$$

をまずは、分数表示にして、

$$6 \div 2(1+2) = \frac{6}{2(1+2)}$$

これを解きます。

 

分母を計算して通分すると、

\begin{align}
6 \div 2(1+2) & = \frac{6}{2(1+2)} \\
& = \frac{6}{2 \times 3} \\
& = \frac{6}{6} \\
& = 1
\end{align}

となり、答えは\(1\)です。

$$6 \div 2(1+2) = 1$$

 

解き方(その②)

では、もう一つの解答を紹介しましょう。

 

$$6 \div 2(1+2)$$

の括弧の中をまずは計算します。

すると、

$$6 \div 2(1+2) = 6 \div 2(3)$$

となります。

 

\(2(3)\)は間に\(\times\)が隠れているので、

$$6 \div 2(3) = 6 \div 2 \times 3$$

となります。

 

式には掛け算と割り算が残りました。

この場合、左の計算から行いますので、

\begin{align}
6 \div 2 \times 3 & = 3 \times 3 \\
& = 9
\end{align}

となり、答えは\(9\)です。

$$6 \div 2(1+2) = 9$$

 

あれっ?解き方(その①)と答えが変わりました。

 

どっちが正解?

$$6 \div 2(1+2)$$

の問題に対する答えは、

  • 解答(その①)では\(1\)
  • 解答(その②)では\(9\)

となりました。

いったいどっちが正解なのでしょうか。

 

実は答えを\(1\)と答えた人……間違いです!

正解は解き方(その②)の\(9\)です。

 

どこが間違っていたのでしょう?

解答(その①)では初めに割り算の形に直しましたね。

$$6 \div 2(1+2) = \frac{6}{2(1+2)}$$

 

そして分母について解き、最後に通分しました。

この順番が重要です。

分母を解く ⇒ 通分

 

これは、\(6 \div 2(1+2)\)を、

$$6 \div 2 \times 3$$

と書いたときに、右の掛け算から計算し、左の割り算を後に計算したことになります。

  • 分母を解く = 右の掛け算
  • 約分 = 左の割り算

 

本来の正しい計算順序に従えば、掛け算・割り算だけの式になったとき、演算は左側が優先されなければいけません。

したがって、解き方(その①)は、

$$6 \div 2 \times 3$$

ではなく、

$$6 \div (2 \times 3)$$

を解いてしまっていたということになります。

 

この計算は台湾のfacebookコミュティで取り上げられ、人々に解答を送ってもらったところ、答えが\(1\)と\(9\)で50%ずつだったようです。

それくらい間違いやすい問題ということでしょう。

 

電卓で計算してみた

$$6 \div 2(1+2)$$

この問題を電卓で計算してみました。

 

スマホの電卓機能

まずは、スマホについている電卓機能です。

答えは\(9\)となりました。

ちゃんと正解ですね。

 

Googleのネット電卓

続いては、Google上で「電卓」と検索すると上部に電卓が表示されます。

これで計算してみました。

これも正解です。

やっぱり、電卓様に間違いはないのでしょうか。

 

関数電卓

最後は私が学生時代に購入し(させられ)、ほぼ使うことが無かった関数電卓です。

!!!…なんと答えが\(1\)となりました。

電卓でも人間と同じ間違いをすることもあるようです。

気を付けないとですね。

 

※スマホと関数電卓に関しては、私の所有物でのみ上記の結果となることを確認しています。みなさんのだと結果が違っているかも知れませんので、ご承知ください。

 

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そもそも問題が悪い?!

ここまでは、\(1\)という答えが間違いであるという書き方をしてきましたが、数学者に言わせるとこの計算は、

「問題自体が悪い!」

なのだそうです。

 

彼らの主張は、問題を「算数的」に考えるか、「代数的」に考えるかで答えは変わってくるということです。

 

算数的というのは、解き方(その②)のように、\(2(3)\)には\(\times\)が隠れているはずで、

$$6 \div 2(1+2) = 6 \div 2 \times 3$$

と変形できるということです。

この答えは\(9\)であり、ここまで正解と呼んできた答えです。

 

次に、代数的というのは、解き方(その①)で行ったように、\(2(3)\)は一つの項であるという考え方です。

項は演算子よりも計算順序の優先度が高い(というよりも計算する前から既に一つの値)ですので、\(2(3)=6\)と考えて計算を進めます。

すると、

$$6 \div 2(1+2) = 6 \div 2(3) = 6 \div 6$$

となるわけです。

 

なので、どちらが正解だというのは厳密にはないのかもしれません。

数学者の見解もバラバラのようです。

 

しかし、巷(ちまた)の意見からすると、答えは\(1\)が正しいとなっているような印象を感じます。

 

まとめ

  • \(6 \div 2(1+2)\)の答えは約半数の人が間違える
  • \(6 \div 2(1+2)\)の答えは電卓でも間違えるときがある
  • この計算問題は算数的に考えるか代数的に考えるかによって答えは変わってくるため、一概にどっちが正しいかは議論が分かれる
  • ただし、世間的には\(9\)が正しいとされているようである

※コメントの反映には少し時間がかかります

2020年1月14日数学の面白いネタ

Posted by yoshi