条件付き確率 – 例題を使ってわかりやすく解説します

2018年3月20日

この記事ではこんなことを書いています

確率の中でも”条件付き確率”を学んでいきます。

学び始めは少し戸惑うかもしれませんが、慣れると簡単です。

条件付き確率の式も一見複雑そうに見えますが、覚えると便利な公式ですので是非ここでマスターしましょう。

たくさんの例題を紹介していますので、実際の問題を解いていく中で条件付き確率に慣れていきましょう。

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条件付き確率を一言で言うと

確率の中でも”条件付き確率”という概念があります。

まずは、通常の”確率”と”条件付き確率”の違いを理解しておきましょう。

 

通常の”確率”とは、

ある事柄A(事象A)が起こる確率

ですね。

 

一方、”条件付き確率”とは、

ある事柄A(事象A)が起こったという条件のもとで、事柄B(事象B)が起こる確率

のことを言います。

具体的にイメージしよう

具体的な例を挙げてイメージしやすくしてみましょう。

 

例えば、火事が起こったとします。通常の確率は、

”火事が起こる確率”

です。

一方、条件付き確率は、”○○という条件のもとで”というフレーズが入ります。

”地震が起こったという条件のもとで、さらに火事が起こる確率”

ということを考えます。

このような確率を考えることで、「火事の原因が地震なのか?、そうでないのか?」ということを考えるときに役に立つのです。

数学的に書くと

イメージできたら、次は数学的な表現を覚えましょう。

通常の確率は、ある事象Aが起こる確率を表現するとき、以下のように書きます。

$$\text{事象Aが起こる確率} = Pr(A)$$

\(A\)に”火事になる”という事象が入れば、\(Pr(A)\)は”火事になる確率”を表しています。

  • \(A\):火事になる
  • \(Pr(A)\):火事になる確率

 

一方、条件付き確率は、ある事象\(A\)が起こったという条件のもとで事象\(B\)が起こる確率を表現するとき、

$$\text{事象Aが起こったという条件のもとで事象Bが起こる確率} = Pr(B|A)$$

と書きます。

\(A\)に”地震が起こる”、\(B\)に”火事になる”という事象が入れば、\(Pr(B|A)\)は”地震が起こったという条件のもので、火事になる確率”を表しています。

\(Pr(B|A)\)の\(A\)と\(B\)の順番に注意してくださいね。\(A\)が先に起きている事象です。

事象Aが起きて、事象Bが起こる

 

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条件付き確率の式

条件付き確率は、\(Pr(B|A)\)で表現できると言いましたが、このままでは実際の計算は行えません。

ですので、次に計算のための式を紹介しましょう。

条件付き確率\(Pr(B|A)\)は、次のような式で計算することができます。

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)}$$

です。

 

分母の\(Pr(A)\)は事象Aが起こる確率ですね。

分子の\(Pr(A \cap B)\)は見慣れない記号です。

この\(Pr(A \cap B)\)は事象Aと事象Bが同時に起こる確率を表しています。

  • \(Pr(A)\):事象Aが起こる確率
  • \(Pr(A \cap B)\):事象Aと事象Bが同時に起こる確率

つまり、上の式を言葉で表現すると、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)} = \frac{\text{事象Aと事象Bが同時に起こる確率}}{\text{事象Aが起こる確率}}$$

という式になります。下の図は式のイメージです。

式だけを見てもいまいちイメージが難しいかもしれません。ここまでがあまり分からない人でも、以下の例題まで読み進めてみてください。

これを理解するには、例題を見てみるのが一番よいです。

例題でイメージをつける

例題を見ていきましょう。学校の問題によく登場する”袋から玉を取り出す”という確率の問題を考えます。

問題

袋の中に赤い玉と青い玉が三つずつ入っています。

また、玉には1か2の番号が振ってあります。

赤い球には1の番号が二つ、2の番号が一つです。一方、白い球は、1の番号が一つ、2の番号が二つです。

下のようなイメージですね。

通常の確率の問題

まずは、通常の確率の問題を解いてみましょう。

この中から番号”1″の玉を取り出す確率はどのくらいでしょうか?

つまり、\(Pr(A)\)のAが「番号”1″の玉を取り出す」となって、

$$Pr(\text{番号”1″の玉を取り出す})$$

を求めることになります。

 

いま、色は関係ありません。

全部で6個の玉の中で番号”1″の玉は3個です。なので、

$$\text{番号”1″の玉を取り出す確率} = Pr(\text{番号”1″の玉を取り出す}) = \frac{3}{6} = \frac{1}{2}$$

です。

これは問題なく解けたと思います。

条件付き確率の問題

次に、条件付き確率の問題です。

 

上で述べた同じ袋から、一つ玉を取り出したら赤い玉でした。

この玉の番号が”1″である確率を求めなさい。という問題です。

 

はじめに紹介した公式を使って解いてみましょう。条件付き確率の式は、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)}$$

でした。ここで、

  • \(Pr(A \cap B)\):事象AとBが同時に起こる確率
  • \(Pr(A)\):事象Aが起こる確率

でしたね。

そして、事象Aの方が先に起こる事象でした(下の画像)。

 

いまの場合、先に起こる事象Aは、”赤い球である”です。そして、続いて起こる事象Bが、玉の番号が”1″であるということです。

  • 事象A:赤い球である
  • 事象B:玉の番号が”1″である

これより、\(Pr(A)\)は簡単に求めることができますね。これは、6個の玉の中から3個ある赤い玉を選ぶ確率ですので、

$$Pr(A) = \frac{3}{6} = \frac{1}{2}$$

です。

 

次に、\(Pr(A \cap B)\)です。

これは、赤い球である(事象A)ことと玉の番号が”1″である(事象B)ことが同時に起こる確率です。

いま袋の中の全6個の玉の中で、赤くてかつ番号が”1″の球は2個です。ですので、

$$Pr(A \cap B) = \frac{2}{6} = \frac{1}{3}$$

となります。

 

これで、

  • \(Pr(A) = \frac{1}{2}\)
  • \(Pr(A \cap B) = \frac{1}{3}\)

が分かりました。

あとは、これらを条件確率の式、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)}$$

に代入して、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)} = \frac{\frac{1}{3}}{\frac{1}{2}} = \frac{2}{3}$$

となります。

よって、袋から一つ玉を取り出したら赤い玉だったという条件のもと、その番号が”1″である確率は、\(\frac{2}{3}\)ということになります。

 

このような単純な問題では、わざわざ条件付き確率の公式を使わなくとも、答えは感覚的に分かります。

取り出した玉が赤い場合、赤い球は番号”1″のものが2個、番号”1″のものが1個なので、取り出した玉が番号”1″の確率は、\frac{2}{3}ですよね。

しかし、もっと問題が複雑になってくると、このような感覚だけでは対処できないことも増えてきます。

そんなときに、条件付き確率の公式が役に立つのです。

 

いろんな例題を解いて、条件付き確率に慣れよう

では、実際にいろいろな条件付き確率の例題に触れて慣れていきましょう。

ただし、例題を解いていく前の注意点です。以下の点を守って読み進めましょう。

問題は条件付き確率の公式を使わなくても分かってしまうかもしれませんが、ここではきちんと条件付き確率の考え方に沿って解いていってください。

例題①:サイコロ編

サイコロの条件付き確率の例

サイコロを2回振って、サイコロの目の合計が8以上である確率を求めなさい。

ただし、1度目のサイコロを振った結果は、”5″の目が出ました。

では、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)}$$

を使って解いてみましょう。

いまの場合、

  • 事象A:1度目のサイコロの目は”5″
  • 事象B:2回振ったサイコロの目の合計が”8″以上

です。

まずは、\(Pr(A)\)からですが、これは簡単ですね。サイコロを一回振って、サイコロの目が”5″である確率ですから、

$$Pr(A) = \frac{1}{6}$$

です。

 

次に、\(Pr(A \cap B)\)ですが、これは”1回目のサイコロの目が5である”かつ”2回振ったサイコロの目の合計が”8″以上”となるサイコロの目の組み合わせは、

(1回目のサイコロの目, 2回目のサイコロの目)=(5, 3), (5, 4), (5, 5), (5, 6)

の4通りです。

ここで、一回目のサイコロの目が”5″で固定されていることに注意です。もう、1回目のサイコロの目は”5″であることが分かっているので、このようになります。

 

さらに、2回サイコロを振って出る可能性のあるすべての目の組み合わせは、

$$6 \times 6 = 36$$

ですので、その中から上の4つ組み合わせの目が出る確率(\(Pr(A \cap B)\))は、

$$Pr(A \cap B) = \frac{4}{36} = \frac{1}{9}$$

となります。

 

これで、

  • \(Pr(A) = \frac{1}{6}\)
  • \(Pr(A \cap B) = \frac{1}{9}\)

が分かりました。

あとは、これらを条件確率の式、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)}$$

に代入して、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)} = \frac{\frac{1}{9}}{\frac{1}{6}} = \frac{2}{3}$$

となります。

 

よって、”1度目のサイコロを振った結果が”5″の目であったという条件のもとで、2回振ったサイコロの目の合計が”8″以上”である確率は、\(\frac{2}{3}\)となります。

 

例題②:文章問題編

文章問題の条件付き確率の例

人数が30人のクラスがあります。男子20人、女子10人です。

彼ら彼女らは選択科目コースとして数学と国語のどちらかを選択しています。

数学コースが女子3人、男子14人です。

国語コースは女子7人、男子6人です。

これらの生徒からランダム一人呼び出して、選択科目を尋ねます。

呼び出した生徒が女子であったとき、その生徒が数学を選択している確率を求めましょう。

では例題①と同様に、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)}$$

を使って解いてみましょう。

事象Aと事象Bを考えます。いまは、

  • 事象A:呼び出した生徒が女子である
  • 事象B:呼び出した生徒が数学を選択している

ですね。

 

次に、事象Aが起こる確率\(Pr(A)\)、および事象Aと事象Bとが同時に起こる確率\(Pr(A \cap B)\)を考えます。それぞれ、

\begin{align}
Pr(A) = \frac{10}{30} = \frac{1}{3} \\
Pr(A \cap B) = \frac{3}{30} = \frac{1}{10}
\end{align}

です。これらを上の公式に代入すれば、

$$Pr(B|A) = \frac{\frac{1}{10}}{\frac{1}{3}} = \frac{3}{10}$$

となり、よって答えは、

$$\text{呼び出した生徒が女子であったとき、数学を選択している確率} = \frac{3}{10}$$

となります。

 

例題③:テレビの視聴率編

 

テレビ視聴率の条件付き確率の例

以下のような、二つのテレビ番組がありました。

  • もののけ姫
  • 天才てれび君

あるクラスで上の二つのテレビを見た人達を調査したところ、

  • もののけ姫」だけ見た人は、10%
  • 天才てれび君」だけ見た人は、40%
  • 「もののけ姫」と「天才てれび君」どちらとも見た人は、20%

でした。

クラスから一人抽出し、その人が「もののけ姫」を見なかったと分かったとき、その人が「天才てれび君」を見た確率を求めてください。

では同様に、

$$Pr(B|A) = \frac{Pr(A \cap B)}{Pr(A)}$$

を使って解いてみましょう。

事象Aと事象Bを考えます。いまは、

  • 事象A:「もののけ姫」を見なかった人
  • 事象B:「天才てれび君」だけ見た人

ですね。

 

次に、事象Aが起こる確率\(Pr(A)\)、および事象Aと事象Bとが同時に起こる確率\(Pr(A \cap B)\)を考えます。

 

まずは、事象Aが起こる確率\(Pr(A)\)ですが、これは「もののけ姫」を見なかった人ですね。

ということは、「天才てれび君」だけ見た人と、どちらも見なかった人を足し合わせればよいですが、”どちらも見なかった人”の割合はまだ出ていません。

なので、最初に”どちらも見なかった人”の割合を出してみましょう。もう一度、テレビを見た人達の割合を思い出すと、

  • 「もののけ姫」だけ見た人は、10%
  • 「天才てれび君」だけ見た人は、40%
  • 「もののけ姫」と「天才てれび君」どちらとも見た人は、20%

でした。

これを、図にしてみると、

となります。

これより、”どちらも見なかった人”の割合は、30%であることが分かります。

 

よって、「天才てれび君」だけ見た人と、どちらも見なかった人を足し合わせた割合は、

$$40\% + 30\% = 70\%$$

です。

つまり、事象A「「もののけ姫」を見なかった人」が起こる確率\(Pr(A)\)は、

$$Pr(A) = 70%$$

です。

 

次に事象A「「もののけ姫」を見なかった人」と事象B「「天才てれび君」だけ見た人」が同時に起こる確率\(Pr(A \cap B)\)を求めます。

これは、そのまま「「天才てれび君」だけ見た人」の確率ですね。

なので、

$$Pr(A \cap B) = 40%%$$

となります、

 

これでそれぞれ、

\begin{align}
Pr(A) = 70% \\
Pr(A \cap B) = 40%
\end{align}

となることが分かりました。

これらを条件付確率の公式に代入すれば、

$$Pr(B|A) = \frac{40%}{70%} = \frac{4}{7} \simeq 57.14\% $$

となり、よって答えは、

$$\text{選んだ人が「もののけ姫」を見なかったと分かったとき、その人が「天才てれび君」を見た確率} = \frac{4}{7} \simeq 57.14\%$$

となります。

 

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まとめ

  • 条件付き確率とは、”ある事柄A(事象A)が起こったという条件のもとで、事柄B(事象B)が起こる確率”
  • 条件付き確率は、”○○という条件のもとで”というフレーズが入る
  • 条件付き確率の式を覚えよう
  • たくさん例題を解いて、問題に慣れよう

※コメントの反映には少し時間がかかります

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