1=0.999…は正解?じゃあ、1=2は正しい?

2018年2月18日

この記事はこんなことを書いてます

1と0.999…はほとんど同じことは誰もが認めるでしょう。

では、1と0.999…はまったく同じ数だと思う人はいますか?

「同じ数であるか?」と聞かれると「まったく同じではない。ちょっとだけ0.999…が1より小さいでしょ。」となるのではないでしょうか。

しかし、この二つの数はまったく同じ数なのです。それは、数学的に比較的簡単に証明することができます。ここでは、その証明を紹介しましょう。

 

また、おまけとして1と2が同じ数字ある証明も紹介します。しかし、こちらは明らかに違います。

これは、証明の中に罠があるからですが、あなたはその罠を見抜けるでしょうか。

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1=0.999…は正しい?正しくない?

$$1 = 0.999\dots$$

は正しいでしょうか?正しくないでしょうか?

直観的には、これは間違いだという人が多いでしょう。0.999…は限りなく1に近いですが、1にはなりきれていないような気がします。

多くの人が「0.999…はわずかだけ1より小さいでしょ」と答えるのではないでしょうか。

しかし、結論から言うと1=0.999…は正しいです。数学的には正しいとされています。

1=0.999…を証明しよう

では、

\begin{equation}
1 = 0.999\dots\tag{1}
\end{equation}

を証明してみましょう。

まず、上の式の両辺に10を掛けます。すると、

\begin{align}
1\times10 & = 0.999\dots\times10 \\
10 & = 9.999\dots\tag{2}
\end{align}

となりますね。ここで、(2)式から最初の(1)式を引きましょう。すると、

\begin{align}
10-1 & = 9.999\dots-0.999\dots \\
9 & = 9
\end{align}

となり、「9=9」は成り立つので、

\begin{equation}
1 = 0.999\dots
\end{equation}

も成り立ち、正しい式であることが分かります。

(1)の式から両辺に同じ数を掛けたり引いたりしただけですから、なにもおかしな操作はしていません。これは、数学的に正しい証明です。

3で割ってみよう

もう一つ、「1=0.999…」が成り立つことが分かる方法を紹介します。

それは、両辺を3で割るのです。すると、

\begin{align}
1 & = 0.999\cdots \\
\frac{1}{3} & = \frac{0.999\cdots}{3} \\
0.333\cdots & = 0.333\cdots
\end{align}

となり、両辺が同じことが証明できました。こちらの方が簡単ですね。

 

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1=2も正しい?

では、

\begin{equation}
1 = 2
\end{equation}

はどうでしょうか?

これは、明らかに間違っていますよね。事実、この等式「1=2」は間違いです。安心してください。

しかし、この等式をもっともらしく、証明したものがありますので、紹介しましょう。

しかも中学数学の範囲で証明できてしまいます。

 

証明①

まず、

\begin{align}
a = b
\end{align}

が成り立つとしましょう。この両辺にaを足します。

\begin{align}
a+a & = b+a \\
2a & = a+b
\end{align}

さらに、2bを両辺から引くと、

\begin{align}
2a-2b & = a+b-2b \\
2(a-b) & = a-b
\end{align}

そして、最後に両辺を(a-b)で割ると、

\begin{align}
\frac{2(a-b)}{a-b} & = \frac{a-b}{a-b} \\
2 & = 1
\end{align}

したがって、2=1が成り立つことが証明されました。

 

証明②

もう一つの別の証明もあります。

証明①と同じように、

\begin{align}
a = b \tag{3}
\end{align}

からはじめます。この式の両辺に、aを掛けます。

\begin{align}
a \times a & = b \times a \\
a^2 & = b \times a
\end{align}

さらに、両辺からb2を引くと、

\begin{align}
a^2-b^2 & = b \times a-b^2 \\
a^2-b^2 & = b (a-b) \tag{4}
\end{align}

この式の左辺は、因数分解できます。中学校で習った、

\begin{align}
(x^2-y^2) = (x-y)(x+y)
\end{align}

の公式ですね。覚えてますか?

この公式を使うと、(4)式は、

\begin{align}
a^2-b^2 & = b (a-b) \\
(a+b)(a-b) & = b (a-b)
\end{align}

と書き直すことができます。両辺を(a-b)で割ると、

\begin{align}
\frac{(a+b)(a-b)}{a-b} & = \frac{b(a-b)}{a-b} \\
a+b & = b
\end{align}

ここで、はじめに(3)式で、a=bとしていたので、上の式のaをbに置き換えてもよいはずです。

\begin{align}
a+b & = b \\
b+b & = b \\
2b & = b
\end{align}

最後に、bで両辺を割ると、

\begin{align}
\frac{2b}{b} & = \frac{b}{b} \\
2 & = 1
\end{align}

となり、1=2が成立します。

 

こんな感じで、1=2が成り立つような証明が存在します。実は1=2の証明は、そのほかににもたくさん、たくさん考案されているのです。詳しく知りたい人は、下のページが詳しいですよ。

 

証明のどこが悪いの?

ここでは、1=2の二つの証明を紹介しましたが、はじめに言ったようにこれらの証明は二つとも間違っています。

では、どこが間違っているのでしょうか?

それは、”両辺を(a-b)で割る”の部分です。割ってはいけないのです。

二つの証明をしたときに、どちらの証明にもこの一文が登場しています。こっそりと、赤字にしておきました。

なぜ、両辺を(a-b)で割ってはいけないのかというと、それは0で割ることになってしまうからです。

どちらの証明も、はじめに、

$$a = b$$

を仮定していましたよね。なので、(a-b)は同じ数同士の引き算となって0になっているのです。

$$a – b = 0$$

例えば、証明②では(a-b)で割ったときの式が、

\begin{align}
\frac{(a+b)(a-b)}{a-b} & = \frac{b(a-b)}{a-b}
\end{align}

となっていましたが、これは、

\begin{align}
\frac{(a+b)(0)}{0} & = \frac{b \times 0}{0} \\
\frac{0}{0} & = \frac{0}{0}
\end{align}

となり、分母に0がきてしまいますので、ダメなんですね。

 

まとめ

  • 1=0.999…は数学的に正しい
  • 上の等式は両辺を3で割ってみると簡単に分かる
  • 1=2は当然間違い
  • 証明は0の割り算が含まれているため、その部分が間違っている

※コメントの反映には少し時間がかかります

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